さらなる女性の活躍のためにブロックチェーン業界は何をすべきか？
吉川：最後になりますが、ブロックチェーン業界で多様性を高めるためにはどうしたらよいでしょうか？より多くの女性がこの業界で活躍するために私たちは何ができるでしょうか？
キャサリン・ウン：将来の世代のためにより良い未来を築いていこうという意識を持つことが大事だと思います。NFTのクリエイターと話をすることがありますが、友人や尊敬するインフルエンサーから暗号資産について聞いたことがきっかけで暗号資産に興味を持ったという話をよく聞きます。ブロックチェーンの世界で活躍する私たちが声を上げることで若い世代に耳を傾けてもらえれば、もっとブロックチェーン業界に興味を持ってもらえるのではないでしょうか。
吉川：私の友人に、ブロックチェーンや暗号資産関連のカンファレンスを積極的に開催している人がいます。彼女は、ジェンダーパリティ（ジェンダー公正）をとても大切にしていて、講演者の半分が女性になるように心がけています。カンファレンスへの女性の登壇機会が増えることで、暗号資産やブロックチェーンに興味がある女性が業界へ足を踏み入れるハードルを下げることができるのではないでしょうか。
キャサリン・チュウ：企業でリーダーシップを執るチームが多様な文化や価値観を持つことの重要性をもっと理解すれば、より多くの女性にブロックチェーン業界へ興味を持ってもらえるのではないかと思います。そのためにできることとして、チームメンバーとコミュニケーションの中でも女性がもたらす価値の重要性を理解してもらうことが大切です。
シャーリー：私にできることは、ソーシャルメディア等を通じてブロックチェーン業界で働く日常を伝えていくことです。そうした投稿を見た女性たちが興味や関心を持ってくれれば、私の経験や失敗談など、より深い話をする機会を持つこともできるようになると思います。
キャサリン・ウン：ブロックチェーン業界も、かつては男性優位のウォール街の文化に近しいところがありましたが、現在はもっとインクルーシブになってきています。特にNFTの分野では、フリーランスのデジタル・クリエイターコミュニティが拡大しています。アジア人アーティストや、初めてNFTに挑戦する方々をサポートしていきたいと考えています。
吉川：ブロックチェーン業界は最先端の技術を提供するだけなく、ガバナンス、コミュニティ、法律、経済、インクルージョンなどさまざまな側面から新たな社会を形成する基盤となっています。
ブロックチェーン業界の未来のために、業界がまだ若い今だからこそ、早期に男女平等を実現し、異なる視点を取り入れることは必要不可欠です。今回のディスカッションをきっかけに、より多くの女性が急速に成長しているブロックチェーン業界に興味を持ち、足を踏み入れ、ムーブメントを起こしてくれることを心から期待しています。
連載：米国発、次世代金融動向を読み解く
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キャスリン・ウン◎TZ APAC、APACマーケティング部長
キャサリン・チュウ◎Polygon、グローバルコミュニケーション部長
シャーリー・クオック◎OKEx、インターナショナル・ビジネス・ディレクター
