Bリーグ悲願の「魅せるアリーナ」誕生 続く建設ラッシュ、成功の鍵は?

(c) 琉球ゴールデンキングス


アリーナはスタジアムに比べて建設コストが比較的安く、アクセスのよい街中に建設しやすい。屋根があるため、家族連れや女性も普段着のまま観戦でき、雨天中止もないため多目的利用を促しやすく、事業計画も立てやすい。こうした事業的優位性から、Bリーグは前大河チェアマンの時から一貫して「夢のアリーナ建設」をリーグ経営の最優先事項の1つに掲げてきた。
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これと並行してBリーグは、大河氏の後を継いだ島田チェアマンのリーダーシップのもと、2024年で現行の開放型昇降格モデルを廃止し、2026年シーズンから米国メジャースポーツで主流の閉鎖型エクスパンション制の導入を検討している。バスケットボールは100点近い点の取り合いになるためアップセットが起こりにくく、1選手あたりの貢献度が大きい(各チーム5名の選手しかコート上にいない)という競技特性がある。換言すれば、選手獲得予算の差が戦力差につながりやすく、閉鎖型の戦力均衡モデルと非常に相性が良いのだ。

こうしたリーグによる構造改革の未来像の提示もあり、新B1への参入条件(1. 1万人規模のフランチャイズ・アリーナの保持、2. 1試合平均4000人以上の観客動員、3. 年間球団収入12億円)の達成を目指して、多くの地方自治体や球団が新アリーナ建設計画を進めている。

メディアやプレスリリース等で報道されているものだけでも、単なる構想レベルを脱し、事業主が確定して設計・建設作業が進められているアリーナ計画が、2025年までに竣工予定のものだけでも6つ存在する。5年間に6つのアリーナは、NBAを上回るハイペースでの建設ラッシュである。
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●2025年までに竣工予定のアリーナ

2021年[公設]沖縄アリーナ(琉球ゴールデンキングス)
2022年[公設]SAGAアリーナ(佐賀バルーナーズ)
2023年[民設]南船橋アリーナ(千葉ジェッツ)
2024年[民設]神戸アリーナ(西宮ストークス)
2024年[民設]長崎アリーナ(長崎ヴェルカ)
2025年[公設]愛知アリーナ(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
*竣工予定は報道によるもので、事業者が発表しているものでは必ずしもない
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文=鈴木友也 編集=宇藤智子

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