モノを愛する私が「捨てない片付け」をやってみた #ポジティブチャレンジ

Forbes JAPAN #ポジティブチャレンジ (サムネイルデザイン=高田尚弥)


捨てない片づけ 診断結果
米田まりなさん著書『捨てない片づけ』から引用

まず、それぞれの合計点を出してみましょう。まず、整理収納意識が合計30点以上は「意識が低い」、30点未満は「意識が高い」です。次に、モノへの愛情は合計33点以上は「愛情が強い」、33点未満は「愛情が弱い」です。その組み合わせで、上の図のように、カリスマ収納職人、秘密基地住人、ミニマリスト、ゴミ館仙人の4タイプに診断されます。

さて、私は整理収納意識が低いとされる34点、モノへの愛情が強めな40点。この組み合わせで「秘密基地住人」と診断されました。詳細を読んでみると、「たまに不便だけど、居心地がいいし......」と、片づけに対するモチベーションが湧きづらく、4タイプの中では一番時間がかかるタイプです、と書いてありました。私の気持ちを見透かされたようです。

「なんかさ、とくちゃんの家ってヴィレバンみたいで面白いね」「それってごちゃごちゃってことですよね......」。ひとり暮らし時代に、私の家を訪れた先輩から言われた言葉と同じことが本にも書いてありました。「このタイプの方の家は、まるで『遊べる本屋』ヴィレッジヴァンガードのよう。好きなモノであふれた家は、楽しく豊かに暮らせる反面、掃除がしにくいなどの不都合もあります」

「捨てる片づけ術」と真逆の発想が生まれた理由


結果は、図星でした。ですが、ここで私のような人が落ち込まない言葉もありました。「モノを持てば持つだけ、人はクリエイティブになれる」と。

著者の米田さんは、なぜ「捨てる片づけ術」ではなく「捨てない片づけ」を提案するのでしょうか。ご本人に話を聞いてみました。

米田まりなさん
米田まりなさん

米田さんは2018年に整理収納アドバイザー1級を取得。東京大学経済学部を卒業後、住友商事で投資を担当していましたが、同年にスマホ収納サービス『サマリーポケット』を展開するスタートアップ「サマリー」に出向し、データアナリストとして活躍しています。

さっそく先ほどの疑問を米田さんに聞いてみると、こんな答えが返ってきました。「仕事上ヒアリングのためいろんな方の家を訪問すると、仕事と趣味が重なっていたり、趣味でアクセサリー作りや洋服を集めることが好きな人など、モノを愛する人たちが多くいました。世の中に整理収納本はたくさんありますが、モノを少なくして後悔したり、うまくできずに挫折した人もよく聞きます。そんな人たちのための片づけのコンテンツづくりをしたいなと思いました」

さらに片づけができない理由は「精神論ではない」と言います。「無心になれば、片づけはできる」と言われてできなくても「落ち込まなくて大丈夫」だそうです。米田さんは今でこそ「カリスマ収納職人」ですが、元々は私と同じ「秘密基地住人」タイプでした。ですが収納意識や家の面積などのデータを収集し、論理的に片づけの仕組みづくりをすることで「捨てない片づけ」を編み出したのです。

あるとき、米田さんはこう気づいたと言います。部屋の片づけは得意じゃなくても、元々仕事でパソコン上の「データを整理することは好き」だったそう。「データはアーカイブでき、捨てる、捨てないの二択ではなく、フォルダで整理できます。よっぽど古いデータは捨てればOKです。この考え方を片づけにも応用しました」

また現代は不要になったら、捨てる以外の選択を提供するサービスもさまざまです。メルカリで売ったり、コレクションや季節外の衣類などはサマリーポケットで預けたりできます。

それでは実際に私の片づけに入る前に、米田さんに最低限のマインドセットを聞きました。なぜなら私には片づけへの苦手意識があるので、できるだけハードルは下げておきたいものです。
次ページ > 部屋の「ありのままの姿」を撮影すると......

文=督あかり

ForbesBrandVoice

人気記事