米田さんはまず「一気に捨てないようにすること。そして残した物への愛情が深まるようにすることを目指しましょう」と助言します。まず最初に片付ける物の「総量」を確認して、スケジュール(戦略)を立て、片づけの時間は「30分1サイクルで5、6回。1日3時間まで」の目安を勧めています。
また、キッチンやリビング、寝室など場所ではなく、書類、洋服、ストック食品、日用品など「モノ軸」で目障り度が高く、稼働率が低いものから手をつけると良いそうです。また100㎝サイズの箱で、1箱あたりの片付けの所要時間は30分。
ちなみに私は引越し時の家財チェックリストでは、夫婦で合わせてダンボール43個を含めて、合計の個数は93個でした。これら全てをやろうとするのではなく、放置して稼働率の低い本と書類から手をつけることにしました。そして米田さんからは、こんなアドバイスもいただきました。「サマリーが行った調査では、モノのトラブルが原因で、離婚の危機に陥った夫婦33%に上ります。お互いの大事なモノを共有し、捨てないようにすることも大切ですね」
これが片づけの必要性を感じていなかった部屋か
「捨てない片づけ」の本にあるように、私はまず「ありのままの様子」を写真に撮ることにしました。実はこれが「片づける必要性すら感じていなかった」はずの部屋の写真です。写真を撮る際に「少しでもきれいに見えるように手直ししたくなる」のですが、それでは意味がありません。
客観的に見ると、一目瞭然で散らかっています。ですが、忙しさを理由に片づけは放置していました。まず写真下部のカウンターキッチンの端には、数カ月前から郵便物や書類、必要な薬などを入れておくため、収納用のカゴバックを導入しています。ですが、その周りに本やノート、ハチミツ、最近手に入れたハンドジェルのミニボトルが......。
写真上部には卓上ミラーの周りに日焼け止めや化粧品、香水、サングラス、友人から最近届いたばかりのチョコチップスまで置いてあります。
乱雑に散らかったカウンターキッチン上。片づけ前に、ありのままの姿を撮影した
カウンターの下には、本棚があります。中には本が立ててあるほか、雑誌と取材用の資料が積み重なっています。棚の上には黒とゴールドの化粧用ポーチが2つ。そのほかに箱と袋が置いてあり、雑然としています。
カウンターキッチン下の本棚。居間の生活スペースだが整理されていない
寝室にもう一つの本棚(下の写真)あります。
寝室の本棚。本の種類でなんとなく分けてあるが、整理されていない物置状態だ
米田さんからは「本への愛情深い方は無理に手放せません。自分が持っている本を一冊ずつグループ分けをするため、本棚の中身を全てだして並べていくところから始めてください」と言われていました。
全ての本を出すのに一苦労。2つの本棚から全て合わせた本の「総量」を数えてみると、181冊ありました。これまでであれば、捨てたい本や雑誌などなく、手のつけようがありませんでした。ですが「捨てない片付け」では、これらの本を細かく分類していくのです。
まだ読んでいない本と読んだ本。さらに、読んでいない本の中でも、A. これから読む、B. 読みかけ、C. 読む気がない、D. 借りた本に分け、読んだ本は、E. 参考書、F. 気に入ってもう一度読みたい、G. 文献、H. 人に貸したい本、I. コレクション、J. インテリアにしたい本などに分類します。
私の場合、ほとんどが「気に入ってもう一度読みたい本」に入ってしまうのですが、参考書が8冊あり、改めて考えると「いま必要ではない」と気づきました。
まず全ての本を出して並べるところから。これだけでかなり時間がかかった