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マウスピースのD2Cサービス「Oh my teeth」

ファッションや食品、寝具、メガネなど、あらゆる領域に広がってきているD2Cの波。その波は“歯科矯正”の領域にまでやってきているようだ。

「自宅で歯並び、なおしませんか?」──このキャッチコピーをウリに、2019年12月1日にローンチしたマウスピースのD2Cサービス「Oh my teeth」がいま、注目を集めている。同サービスは通院型であれば費用は80〜120万円程度かかるとされているところ、プランによっては30万円で歯科矯正を受診できるというもの。ローンチから2カ月でサービス希望者は1000人以上にのぼる。

なぜ、歯科矯正のスタートアップを立ち上げようと思ったのか。また開発にあたって、どのような苦労があったのか。Oh my teethのCGOの西野誠氏とファウンダーの長渕啓太氏にサービスにかける想いを訊いた。

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Oh my teethのCGOの西野誠氏

歯科矯正にまつわる3つのユーザーペイン


──まずサービスの概要から教えてください。

「Oh my teeth」は高性能の3Dスキャンを活用した歯列画像解析によって歯形の3Dデータを抽出。さらに、シミュレーションソフトや人工知能、3Dプリンター、チャットボットなどを活用し、通院せずとも歯科矯正をかなえるサービスです。

そもそも、従来のマウスピースによる歯科矯正には、大きく分けて3つのユーザーペインがありました。

1つ目は、価格。通院型の歯科矯正だと費用が80万〜120万円が相場です。決して安い金額ではありませんよね。歯科矯正の最初のハードルともいえます。

2つ目は、通院の頻度です。「2週間に1回は通わなければいけない」という歯科矯正業界の通説があるのですが、通うことが面倒で挫折してしまう人も少なくない。でも、よくよく考えれば自宅でケアがきちんとできていたら通う必要はありません。

3つ目が、ユーザーを孤独にさせないこと。マウスピースの歯科矯正って期間としては半年から2年で、毎日20時間程度装着しなきゃいけないんですよ。外せるのは、食事と歯磨きのときだけ。20時間自己管理で装着し続けるって結構ツラいんですよね。

「価格」、「通院」、「孤独」。これら3点が「Oh my teetn」が解消すべきユーザーペインだと考えました。

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──具体的にどのように解消しようとしているのでしょうか。

わたしたちは30万円と60万円の2つのプランを用意しています。プランによっては、従来の歯科矯正の半額以下、3分の1で受診できます。

さらに、原宿のスキャニングステーションにて歯型3Dスキャンとドクターによる歯並びチェックが含まれた無料の「歯型とりセッション」を開催しています。

歯型とりセッション後のやり取りは原則オンラインで完結するため、特別な事情がなければ通院回数ゼロで歯科矯正ができます。テクノロジーによって中間コストと通院の手間をカットしたわけです。

「孤独」に関しては、一人ひとりのユーザーにコーチがついて、前日の装着時間をヒアリングしたり、交換のタイミングをアラートしたり、装着方法のカスタマイズを指導したりしています。もちろんドクター管理のもとです。

そのおかげで利用者からは「怠け者の自分でも続けられそうです」「いつでもサポートしてくれるという安心感があります」という声をいただきました。いまではオンラインでのやりとり自体がユーザーの日常に溶け込んでいて、関係性もより深まっています。

文=田中嘉人 人物写真=小田駿一

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