──2つ目の「巻き込み力」が大事とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか?
起業して強く思ったんですが、会社を応援してくれる「応援団」、つまり会社のファンをどんどん作っていくことが重要なんですよね。
一番身近なところでいうと、幹部層や社員全体を巻き込んで、我々の信じることを彼らにも信じてもらわないといけない。もちろん、投資家やクライアントの方々に関してもそうです。
結局、会社を大きくするために自分ひとりでやれることは限られているので、色んな人を巻き込みながら味方につけて、事業を拡大しなくてはいけないなと考えています。
──どうやってそこまで人を巻き込んでいけるのでしょうか?
もともと人の期待値を上げるのが得意なタイプではあります。
私自身は結構ダイレクトな人間なので、「いいものはいい、悪いものは悪い」というのがきっぱりはっきりしています。なので、そんな私が真剣に「これをやりたい!」と思っていることについて話をした時、その本気度がしっかり伝わっているのではないでしょうか。
やりたいことを本気で信じ、本気で伝える。人を巻き込む方法はこれに尽きると思います。
──「根拠のない自信」を持っているからこそ、人を巻き込んでいけるという部分もあるということですね。巻き込もうとしていく中での失敗などはありましたか?
基本的にポジティブで、失敗してもあまり失敗だと思わないんですよね(笑)。もちろん、気づいていない失敗はたくさんあると思うのですが、何か問題が起こっても「これはさらに成長できるポイントなんじゃないか」と考えるようにしています。
失敗した時でも常に上を向いてポジティブに生きていることも、人を巻き込むポイントかもしれませんね。
──3つ目の「ハングリー精神」について、伺ってもよいでしょうか?
当社がここまで成長し続けられているのは、周囲からどれだけ褒められても満足しない、「ハングリー精神」を持ち続けているからだと思います。
一定の利益が出た段階で、その状態のままキープしようと思えば、いくらでもサボることは可能な訳ですよね。特にチャレンジしなくたって、ある程度の生活はできます。
でも、我々の中には「自分達に満足したくない」「成長し続けたい」という気持ちがあります。それがスピードを落とさず、事業を加速させる重要なポイントだと思うんです。
私が考える「起業家」というのは、そういうハングリー精神を持ったアグレッシブな人です。私自身も、「アジアで一番大きい会社にする」という理想を本気で目指して事業を推し進めています。
本気で高い志を持ち、「ハングリー精神」を持ち続ける。そういう素養があれば「結果を出してて凄いよね」と言われても、「いえいえ、まだまだこれからですから」という謙虚な気持ちを持ち続け、成長し続けることができると思います。
連載 : 起業家たちの「頭の中」
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