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海外

2025.04.22 16:00

ハーバード大以上の難関、アクセラレーター「Neo」の挑戦

新興企業のアクセラレーターの「Neo」を立ち上げたアリ・パルトヴィ(Neilson Barnard/Getty Images for New York Times)

新興企業のアクセラレーターの「Neo」を立ち上げたアリ・パルトヴィ(Neilson Barnard/Getty Images for New York Times)

フェイスブックへの初期投資を成功させたことで知られるアリ・パルトヴィ(52)が立ち上げた新興企業のアクセラレーターの「Neo」は、テキストから動画を生成する動画生成AIのPikaや、コードの自動生成ツールのCursorを手がけるAnysphere(エニイスフィア)といった注目のスタートアップを送り出している。先日新たに3億2000万ドル(約448億円)の資金を調達したNeoは、シリコンバレーの名門アクセラレーター「Yコンビネータ」に対抗する勢力になろうとしている。

Anysphereの共同創業者でCEOのマイケル・トルエルは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の1年生を終えたばかりの2019年夏に、インターンとしてグーグルに勤務していた。その時、彼は将来有望なテック人材を発掘するためにグーグル本社を訪れていたNeoの創始者アリ・パルトヴィと面会した。

フェイスブックをはじめ、AirbnbやDrppboxへの初期投資で知られるパルトヴィは、トルエルと人工知能(AI)関連の取り組みやスタートアップについて話し、その場で手書きのコーディングのテストを出題した。それは、トルエルにとって簡単な問題で、記録的な速さで正解にたどり着いた。

面談後、パルトヴィはメモを取り出して、トルエルの写真の横に星印入りの丸を描き込んだ。それは、「どんなプロジェクトであろうと彼がやるものであれば出資する」という投資の意思を意味する印だった。

その後、トルエルはNeoの支援対象に選ばれ、3年後にパルトヴィは、彼が立ち上げたスタートアップのAnysphereに最初の投資家として出資した。ブルームバーグは先月、Anysphereが、約100億ドル(約1兆4000億円)の評価額で資金調達を行う計画だと伝え、同社が「史上最も急速な成長を遂げたスタートアップの一つ」だと報じた。

「アリ(・パルトヴィ)は、本当にアイデアしかなかった時点で僕たちに投資してくれた。それは、ほとんど何もかたちになっていない段階だった」とトルエルはフォーブスに語る。「彼は、実績を持たない起業家に対しても本気で賭けることを恐れない」

「若い才能」に大きく賭ける

これこそがNeoを率いるパルトヴィの信念だ。他の誰よりも早く卓越した才能を見出し、シリコンバレーのエリートたちとつなぎ、彼らが起業した際には出資する。「多くの投資家が若者たちを過小評価している」とパルトヴィは語る。「人類史上、最も偉大な仕事の多くは20代前半の若者たちが成し遂げている」

2017年に設立されたアクセラレーターのNeoは、毎年30人の起業家を選抜してワークショップやネットワーキングイベントを開き、投資家にアクセスする機会を提供している。同社の支援の仕組みは、ピーター・ティールが創設した財団のThiel Fellowship(ティール・フェローシップ)に似ているが、ティールの財団が大学をドロップアウトした起業家に10万ドル(約1400万円)を与えているのに対し、Neoの仕組みは、よりライトな設計で、起業家が大学を完全に辞めなくても2万ドル(約28お0万円)を受け取ることができる。

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編集=上田裕資

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