米コネチカット州ニューヘイブンに本拠を置くスタートアップ企業Seriesは、米国屈指の名門大学であるイェール大学に通う2人の学生が立ち上げた同社はソーシャルネットワークを提供している。しかし、同社を共同創業したナタネオ・ジョンソンとショーン・ハーグローは、このSNSが約20年前に同じような背景で始まったされたフェイスブックとは大きく異なるものだと述べている。
「Seriesは、人々がオンラインで新たな形でつながることを可能にする」とジョンソンは話す。投資家は、彼らのビジョンを高く評価している。同社は、現在の形になってまだ数カ月しか経っていないが、4月4日にプレシードラウンドで310万ドル(約4億4200万円)を調達したと発表した。ジョンソンがLinkedInに投稿したトレーラー動画が拡散した結果、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家の関心を集め、資金調達はわずか2週間で完了したという。
ジョンソンとハーグローはともにイェール大学の3年生で、起業家を目指す学生サークルに所属している。「成功した起業家たちと会ってすぐに気づいたのは、彼らが自身で運命を切り開いてきたということだ」とジョンソンは話す。
この気づきがきっかけで、2人は人々の生活を支配するようになったSNSについて改めて考えるようになったという。フェイスブックやLinkedIn、X(旧ツイッター)などは膨大な数のユーザーを惹きつけているが、ハーグローはこれらのSNSが「スプレー・アンド・プレイ(下手な鉄砲も数撃てば当たる)」型のアプローチに依存していると指摘する。
「ユーザーは、コンテンツをフォロワーに向けて公開し、誰かが注目してくれることを期待している」とジョンソンは言う。これに対し、Seriesは異なるアプローチを取っており、ユーザーは他のメンバーに支援を依頼することができる。例えば、起業家がビジネスプランを売り込んだり、アプリの開発でサポートを必要としている場合、「AIフレンド」と呼ばれる人工知能(AI)を搭載したエージェントにリクエストすると、AIがネットワーク上を検索して支援してくれそうなメンバーを紹介してくれる。
「Seriesに参加すれば、AIがあなたを求めている他のユーザーとマッチングしてくれる」とジョンソンは説明する。また、最も関連性の高い人物は、Seriesのユーザーではない可能性もあるという。AIフレンドが最終的に、このネットワークの外の人物を推薦する場合もあり得るという。