Neoのパートナーのエミリー・コーエンは、「少数精鋭」のブティック型のアプローチこそが、彼らの強みだと語る。「Neoのコミュニティが特別なのは、少人数で親密な場が築けていることにある。しかも、驚くほど技術力の高い人たちが集まっている」と、彼女はサンフランシスコの中心部にあるNeoのオフィスで語った。「私たちは、参加者をむやみに増やすようなことはしたくない」
Neoがシード投資を行ったスタートアップの中には、選挙の結果や天候などの未来の出来事に対する賭けを行える予測プラットフォームのKalshiや、ジャック・ドーシーが立ち上げたXの代替プラットフォームのBlueskyなどが含まれている。
Kalshiの創業者でCEOのタレク・マンスールは、Neoのチームの思いやりのある支援に感謝していると語る。昨年の米大統領選の直前に、Kalshiには選挙結果に賭けを行うユーザーが殺到し、運営資金が枯渇しかかったという。そのとき、パルトヴィは彼らを救うために、細かな契約プロセスを省いて急遽1200万ドル(約16億8000万円)以上を送金したという。「アリは、僕たちが困難に直面したときに最初に頼る存在だ」とマンスールは語る。「それはすべてが順調なときも、そうでないときも変わらない」
テヘランで生まれた起業家
パルトヴィと双子の兄弟のハディは、1979年のイラン革命の時代のテヘランで、物理学教授である父のもとで育った。パルトヴィは9歳でコーディングを学び始めた。「私にとってプログラミングを学ぶことは、恐怖からの逃避でもあった」と彼は語る。「現実の世界は混沌と不確実性に満ちていたが、コンピュータの世界は秩序と予測可能性に満ちていた」
パルトヴィは、家族とともに1984年に米国へ移住し、その6年後に兄弟のハディとともにハーバード大学に入学。そこで、のちにセコイアのパートナーとなるアルフレッド・リンと初めて出会った。卒業後、パルトヴィは大学の同級生のトニー・シェイ(後のZapposの創業者)とともに、初期のインターネット広告会社LinkExchange(リンク・エクスチェンジ)を共同創業し、リンはCFOとして参加した。双子の兄弟はその後、音楽発見サービスのiLikeを創業して2009年にMySpaceに売却した。さらに2012年には高校生までの子どもたちにプログラミングを教える非営利団体のCode.orgを立ち上げた。
Neoの支援の対象は起業家たちに限らない。同社は、学生たちとハイテク大手をつなぐ取り組みも行っており、たとえばOpenAIは、昨年のプロダクト部門の新規採用者をすべてNeoから採用したという。
OpenAIでスタートアップとの連携を担当するシャヤマル・アナドカットは、「Neoが見つけてくる人材は、単に技術力が高いだけではない。彼らは、独特な世界観を持つ、何かを生み出すための強い意志を持つ人材をそろえている」とフォーブスに語った。
一方、Anysphereのトルエルは、自社のチーム構築においてNeoの精神を取り入れようとしてきたと語る。
「人々の才能を見極めて、真剣に向き合っていくこと。それこそが僕たちが会社で重視していることの一つだ」と彼は述べている。Anysphereは経験豊富な人材を求める一方で、まだ実績の少ない若手にも積極的にチャンスを与えようとしている。「僕たちが採用で重視しているのは、キャリアの初期段階にいる傑出した才能を見つだすことだ」とトルエルは語った。


