ロンドンに拠点を置く新興テクノロジー企業のNothing(ナッシング)は、設立からわずか4年半の間に世界のスマートフォン市場にその名前を知らしめてきた。今回はNothingの創業者兼CEOであるカール・ペイ氏に単独インタビューを実施。ペイ氏は今後もスマートフォンの開発に全力を注ぎながら、ユーザー目線で真に役立つ生成AIサービスを開発することの重要性を語ってくれた。
Nothingから5万円台のAIスマホが登場
Nothingは2025年4月現在、商品のラインナップにAndroid OSベースによる独自のNothing OSを載せたスマートフォンと、左右独立型のワイヤレスイヤホンを揃えている。Nothingのプロダクトはデザインが先鋭的なだけでなく、質が高く使い勝手も良いことから目利きのデジタルガジェットファンを中心に支持を得ている。サブブランドのCMF by Nothingも伸び盛りだ。
Nothing Phone (3a)は、大きな6.77インチのHDR対応OLEDを搭載するミドルレンジ価格帯のスマートフォンだ。トリプルレンズ構成のメインカメラ、クアルコムの最新SoCを採用しながら5万円台という手頃な販売価格としている。発売日は4月15日。日本の通信事業者として、楽天モバイルが初めてNothingのスマートフォンを取り扱うことも決まった。

Nothingはこの新しいスマートフォンの右側面に「Essential Key(エッセンシャルキー)」という専用ハードキーを新設した。カメラで写真を撮影したり、Webページのスクリーンショットを撮った直後にEssential Keyをクリックすると、その画像データに音声やテキストによるメモを付与できる。記録したデータは専用のEssential Space(エッセンシャルスペース)に集約される。ユーザーがタグを付けてデータの内容を分類できる機能も実装するが、今後はAIが自動でタグ付けを行い、ユーザーが必要な情報を効率よく探せる機能も追加予定だ。
