グーグルが7万円台の純正AIスマホ「Google Pixel 9a」を発売する。Pixel 9シリーズの中で最も安価でありながら、上位モデルであるPixel 9に迫るハイスペックなスマートフォンだった。発売前に実機を1週間ほど試したハンズオンの手応えをレポートする。
ライバル、アップルのiPhone 16eと比べてみると
Gogle Pixel 9a(以下、Pixel 9a)は手頃な価格設定を特徴とするAシリーズの最新機種。2024年秋発売の上位Pixel 9 Pro/Pixel 9と同じ、独自設計のGoogle Tensor G4チップを載せた。グーグルの生成AI「Gemini」も本体電源ボタンの長押し操作などにより立ち上げて、スムーズに動く。
価格はストレージ容量が128GBのモデルが税込7万9900円から。Pixel 8aよりも7300円ほど値上がりしているが、最新のAIカメラ機能を加えて、バッテリーの性能も高めた上で7万円台の価格を維持した。グーグルの努力を前向きに評価したい。
iPhoneにはワイヤレスによるファイル共有機能のAirDropなど、アップル製デバイスによるエコシステムが活かせる特有の機能が充実している。そのため、iPhoneを他のスマホと同列に並べて価値を比較することは難しい。それでもあえてアップルが直近に発売したスタンダードモデルのiPhone 16eに対して、Pixel 9aがより魅力的な点をいくつか挙げたい。
Pixel 9aのメインカメラには「スマホのカメラ」が搭載していれば、比較的使う機会が多くあるマクロズームと超広角撮影の機能がある。6.3インチのディスプレイはHDR表示に対応する。ただし上位のPixel 9以上が搭載する10bit HDR動画撮影機能が本機にはない。カラーバリエーションは写真の新色「アイリス」を含む4色の選択肢がある。そして7年間のOSとセキュリティのアップデート保証も付いてくる。

筆者はPixel 9aの本体がPixel 8aよりも大きくなったことが残念だ。これがiPhone 16eに対する弱点にもなるように思う。同じ対角線サイズ6.3インチのディスプレイサイズでありながら、iPhone 16 Proよりも本体は大きい。タテ寸法はPixel 9よりもわずかに長い154.9mm。質量は約185.9gある。6.1インチのディスプレイを搭載するiPhone 16eの質量は約167gだ。Pixel 9aの背面はカメラ部分の張り出しが少なく、ルックスは簡素で美しい。もう少し小さいスマホにしてもよかったのではないだろうか。