「大事なことはどの生成AIがベースかではなく、ユーザーが使いやすい機能に仕上げること」
新端末の発売直後から話題を呼ぶEssential Spaceは、最初はプレビュー版アプリとして提供される。ペイ氏はEssential Spaceを、NothingのAI開発の姿勢を象徴する重要な機能に位置づける。ペイ氏はアップル独自の生成AIモデルによるApple Intelligenceを引き合いに出して、Essential Spaceのコンセプトを次のように説いた。
「Apple Intelligenceはとても大事なイノベーションですが、そのサービスはまだすべてが実用的とは言えません。Nothingの生成AIに対するアプローチは、ユーザー本位のスタンスから、ユーザーのため本当に役に立つAIツールを提供することです。小さなツールから1つずつ、ユーザー目線でいいものを届けたいと考えています」
Nothingは昨年、同社のスマートフォンにインストールしたOpenAIのChatGPTアプリを、同社のワイヤレスイヤホンのリモコン操作から呼び出してハンズフリーで使える機能を公開した。現在はCMF by Nothingのワイヤレスイヤホンにも同じ機能がある。Nothingの生成AIに対する姿勢は決して受け身ではなくとても積極的だといえる。
Essential SpaceはGoogle Geminiをベースにしながら、Nothingが独自に企画開発したAIツールだ。ペイ氏は「大事なことはどの生成AIモデルをベースにしているかではなく、実際にユーザーが使いやすい機能に仕上げること」なのだと強調する。今後、採用するAIモデルを1つに固定するのではなく、都度Essential Spaceの仕様に最も相応しいものを選ぶのだとペイ氏は説いた。
Essential Spaceはスマホ体験を変える大事な一歩
ペイ氏は「ユーザーに真の価値を提供すること」がNothingブランドのパーパスだと語る。その目的のために今後、生成AIの技術をどのように活かそうとしているのか、ペイ氏の構想を聞いた。
「今は多くのスマートフォンユーザーが、端末に搭載されている共通のOSで同じ体験を共有しています。これから生成AI技術の活用が進むことにより、個人のスマートフォンユーザーに最適化した体験も深まり、1人ひとりが異なるOS体験を持つようになると私は考えます」。ペイ氏はその究極の在り方として、やがて個別の「アプリ」という概念が消失して、生成AIと統合されたOSが唯一のアプリになるような「ポスト・アプリ(脱アプリ)の時代」がくるという考え方を提示した。


