2. 最初に打ち明ける相手ではなくなる
親密な関係の最も基本的な要素のひとつは、感情の共有だ。つまり、何か重要なことが起こったときに真っ先に打ち明けることだ。それは、ワクワクするようなニュースかもしれないし、悩み事かもしれない。あるいは、助けが必要な問題かもしれない。共有する内容を問わず、信頼し合っているカップルは本能的に支えて励ましてくれる人、あるいはただ一緒に楽しむ人として互いを求める。
だが関係が冷え込みつつある場合、こうした姿勢は変わり得る。パートナーへ最初に連絡を取ることに、ためらいを感じるようになるかもしれない。相手が期待通りの反応を示さないのではないか、過去の経験から相手の反応はつれないものになるのではないかと憂うかもしれない。その結果、パートナーではなく友人や家族、もしかするとオンラインコミュニティに感情的なつながりを求めるようになる。
あなたが職場での昇進を知らされたとしよう。それは、あなたが絶えず努力を重ねてきた結果だ。すぐにパートナーへ知らせる代わりに、あなたは親友にメッセージを送る。パートナーがどう思うかを、気にしないわけではない。むしろその反対だろう。だが、パートナーの反応はいい加減なものか、もしかすると冷淡なものになるだろうとあなたは疑っている。心の底では、興奮を心から分かち合ってくれる誰かと一緒に祝いたいのだ。
『パーソナリティ・アンド・ソーシャルサイコロジー・ブリティン』誌に2021年に掲載された研究によると、コミュニケーションは関係の満足度を生み出すというより、むしろ関係の満足度を反映するものだと指摘している。言い換えると、幸せなカップルは自然とコミュニケーションが多くなる。無理にそうしているからではなく、親密であるがゆえに互いの考えや経験を共有したくなるからだ。当然ながら、その逆もまた真なりだ。満足度が低下するとコミュニケーションも減る傾向にある。
パートナーが心のよりどころではなくなると、重大なニュースを真っ先に報告したくなる相手ではなくなる。これは、2人の関係を支える感情の土台がぐらついていることを強く示す兆候だ。やがて喜びや悲しみ、あるいはその他のさまざまな感情を共有しなくなり、時間と共に埋めがたい距離が生まれる。
もしあなたがサポートや祝いの言葉、安心させてくれるものを必要としているとき、パートナーに頼らないことが常態化し始めているなら、それは感情的なつながりが弱くなっている兆候かもしれない。