より良い睡眠のためのヒント
・横向き寝
脳には「グリンファティック・システム」という老廃物を除去する仕組みがあり、それによって毎晩、覚醒している時間帯には行われない「掃除」が行われている。アギーレ博士によると、脳にたまった老廃物を排出するのに最適なのは「胎児のように」、(脳の血流が良くなる)横向きの姿勢で寝ることだ。
また、この掃除のためには脳と神経系に分布するニューロン(神経細胞)ではない細胞、「グリア」が必要となる。神経科学において、このグリアについてはまだ完全には理解されていないというが、「ちょっとした思考もすべて、脳内に代謝廃棄物を生み出します」と話す博士は、この老廃物を処理する仕組みを、車の排気システムに例えている。
また、睡眠中に行われるこの処理こそ、私たちが睡眠をとる理由だとする研究結果も報告されている。
・室温と体温の調整
涼しい部屋の方が、眠りにつきやすいと誤解している人は多い。博士によると、研究で明らかになっているのは、入眠に影響を及ぼすのは室温の変化(低下)であり、その温度差は大きいほど、効果的だとされている。
アギーレ博士は、涼しい部屋で足湯に入ることなどを勧めている。眠りに就くために体が必要とする、急速な体温の低下につながるという。
さらに博士は、ここに紹介したような考え方を1日か2日していれば、それを習慣につなげることは可能だと述べている。