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ヘルスケア

2025.03.17 10:30

女性はなぜ男性より不眠症になりやすいのか? 睡眠改善法を医師が解説

Getty Images

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女性の睡眠時間は男性より少し長いと言われているが、睡眠の質ははるかに悪い。人間は年齢が低いほど多くの睡眠が必要で、思春期までは男女とも必要な睡眠時間は同じだ。乳児には1日12~15時間の睡眠が必要で、3~5歳児は10~13時間、10代は8~10時間、成人は通常7~9時間と、必要な睡眠時間は年齢とともに減少する。だが、女子は男子に比べて睡眠時間が短くなりがちで、睡眠障害を報告する件数も多い。複数の研究によると、男子の睡眠パターンの変化は女子より緩やかで、変化の開始も遅い。これは女子が男子より早く成熟することと符合する。

ホルモンが睡眠を妨げるメカニズム

女性がホルモンの影響を受けると、睡眠に大きな支障をきたす。生理による出血が始まると、プロゲステロンとエストロゲンの濃度が低下し、眠りにつきにくくなることがある。卵子を放出する準備(卵胞期)に入ると、双方のホルモンの濃度が上昇する。この期間に眠気を感じやすくなる女性もいる。これらのホルモン濃度は卵子が放出され、体が妊娠の準備を始める黄体期に最も高くなる。黄体期には眠りにつきやすいと感じられるかもしれない。周期が終わると、ホルモン濃度は急速に低下する。ホルモンの低下によって月経前症候群(PMS)の症状が現れ、不快感が増したり、睡眠が妨げられたりすることがある。

最終的に、女性は更年期を迎えてホルモン濃度が低下すると、いらいらしたり、ほてりや寝汗で睡眠に支障をきたしたりすることがある。実際、米疾病対策センター(CDC)が行った国民健康調査では、睡眠時間が7時間未満だと答えた割合が、更年期女性では56%に上り、閉経後の女性(40.5%)や閉経前の女性(32.5%)より高かった。閉経後の女性は十分に休息できていないと感じる割合が大きかった。閉経後は、睡眠時無呼吸症候群や下肢静止不能症候群(むずむず脚症候群)を訴える女性が多くなる。

男性と女性で異なる睡眠パターン

睡眠は「周期」と呼ばれるさまざまな段階を経る。これには、深い眠りの非急速眼球運動(ノンレム)睡眠と、はっきりした夢を見る急速眼球運動(レム)睡眠の段階がある。米認定睡眠専門医のキャロル・アシュ医師は、「睡眠構造」と呼ばれるパターンの男女の違いについて解説している。同医師によると、女性の方が入眠が早く、深い眠りの時間が長い。この睡眠構造は回復力が高いという特徴がある。一方、男性は浅い眠りのレム睡眠が長いが、夢を見る睡眠は記憶を定着させる効果があるという。

その他の違いとしては、女性はメラトニンの分泌が早い傾向がある。また、夜間の騒音に敏感で、睡眠が妨げられやすい。アシュ医師は、月経周期や生理痛、妊娠、更年期障害といったあらゆる種類の生理現象により、女性は睡眠の質が低下しやすいと指摘した。

睡眠障害の影響も男女によって異なる

米睡眠医学会(AASM)の報告によると、男性の場合、いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩まされる傾向が強い。こうした症状は心血管系の問題につながる可能性もある。一方、女性は睡眠不足に陥ると、不安や抑うつのほか、日中に過度の眠気を訴えたり、夜間の睡眠障害の症状が強くなったりする傾向がある。これにより、集中力や記憶力も低下する。

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翻訳・編集=安藤清香

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