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経営・戦略

2025.03.20 12:00

テスラ株はもはやイーロン・マスクの「最大の資産」ではなくなった

イーロン・マスク(Samuel Corum/Getty Images)

イーロン・マスク(Samuel Corum/Getty Images)

米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価は、ここ約2カ月で大きく下落した。その結果、同社を率いるイーロン・マスクの保有資産にテスラの持ち株が占める割合は、スペースXの持ち分の割合を下回ったことが明らかになった。

マスクはスペースX株の42%を保有しているが、フォーブスは、その価値が1470億ドル(約22兆円)だと試算している。これに対し、彼が保有するテスラの株式とストックオプションの合計額は、3月17日の市場の終値ベースで1270億ドル(約19兆円)と推定できる。

前回、マスクのスペースX持ち分の価値がテスラ株を上回ったのは、今から6年前の2019年のことで、その当時のマスクの保有資産は約200億ドル(約3兆円)だった。その後の数年で世界で最も裕福な人物となったマスクの現在の保有資産は、3290億ドル(約49兆円)に達している。

マスクは、昨年のトランプ大統領の選挙キャンペーンに2億ドル(約300億円)以上を献金したことで知られている。彼は、11月にトランプが勝利した後の数週間で資産を急増させ、12月には史上初の4000億ドル(約59兆8200億円)を超える資産を持つ人物となっていた。

この資産の急増は、テスラの株価の急騰に加えて、マスクが率いる人工知能(AI)スタートアップであるxAI(エックスエーアイ)の評価額が500億ドル(約7兆4800億円)に上昇し、スペースXの評価額も3500億ドル(約52兆円)に急拡大したことに後押しされていた。

しかし、そこから徐々に状況が悪化した。テスラの株価は、1月初旬に2024年第4四半期の納車台数が予想を下回ったことを受けて下落した後に、21日のトランプの就任式の当日から本格的な急落が始まった。マスクがトランプ政権の政府効率化省(DOGE)のトップに就任したことが明らかになると、彼がテスラの経営と政府の役職を兼務することへの懸念が広がり、同社の株価は最高値から50%も下落した。

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編集=上田裕資

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