ビジネス

2025.04.07 10:30

YouTube、「ディズニーを抜き」世界最大のメディア企業になる見通し

JRdes / Shutterstock.com

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MoffettNathansonのパートナーであるマイケル・ネイサンソンは、収益ベースで見た場合、YouTubeが年末までに「新たなメディアの王」としてディズニーを上回る見込みだと発表した。2024年、YouTubeの収益は542億ドル(約7兆8900億円)に達し、ディズニーに次ぐ第2位だった。昨年のディズニーの収益(パークや体験部門を除く)は597億ドル(約8兆6900億円)だった。

YouTubeの2024年第4四半期決算報告によると、広告収益は四半期として過去最高の105億ドル(約1兆5300億円)を記録した。2024年の年間広告収益は361億5000万ドル(約5兆2600億円)で、前年比+15%の増加となった。ネイサンソンの分析によれば、YouTubeが単独の企業であれば、その企業価値は5500億ドル(約80兆1000億円)以上に達し、親会社であるアルファベットの総評価額のおよそ30%を占める計算になるという。

広告収入以外のYouTubeの収益源は、YouTube PremiumやYouTube Music、NFL Sunday Ticket、YouTube Primetime Channelsといったサブスクリプションサービスがある。また、バーチャルMVPD(仮想マルチチャンネル動画配信)であるYouTube TVも収益源となっている。

ネイサンソンはレポートで「今後は、サブスクリプション収益の伸びが主に加入者数の増加によって広告収益の伸びを上回り続けるとみています。ただし、私たちのモデルには追加の値上げを織り込んでいないため、特にYouTube TVにおいて純増数が落ち着くにつれ、サブスクの成長は徐々に鈍化すると予想されます。その結果、2025年から2027年にかけて、YouTubeの総収益成長率は低い二桁台から中程度の二桁台間で推移するでしょう」と述べている。

ネイサンソンの試算によると、2027年にはYouTubeがサブスクリプションサービス(YouTube TV、YouTube Premium、YouTube Music)および広告によって750億ドル(約10兆9000億円)以上を稼ぐ可能性があるという。

ニールセンの2025年2月の月次レポート「Media Distributor Gauge」によると、YouTubeは視聴時間のシェアで11.6%を獲得し、すべてのメディア企業の中でトップとなった。1月から2%増加しており、これはYouTubeとして過去最高のものである。視聴時間ベースで首位に立ったのは2回目で(初回は2024年11月)、ディズニーが10.0%で2位、スーパーボウルを放映・配信したフォックスが8.3%、ネットフリックスが8.2%で続いた。また、2月のストリーミング視聴全体の約27%がYouTubeだったと報告されている。

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翻訳=酒匂寛

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