ニールセンはまた、テレビ視聴に限ったYouTubeの成長率を過去2年間で調査している。2023年2月以来、YouTubeのシェアは53%上昇し、年齢層を問わず伸びているが、特に65歳以上では96%増と顕著だという。ニールセンのデータでは、65歳以上の視聴貢献度は子ども(2~11歳)とほぼ同水準(15.4%対16.9%)だとされている。
なお、このレポートはテレビでのYouTube視聴のみを対象としているため、モバイル端末やパソコン、またはYouTube TVを介した視聴は含まれていない。YouTubeのニール・モーハンCEOは今年初め、ブログで「米国ではYouTubeを視聴する主要な手段としてテレビがモバイルを上回った」と述べている。
YouTubeは米国東部時間5月14日の午後5時30分に、4回目の年次イベントであるBrandcastを開催する。会場は再びニューヨークのリンカーン・センターで、期間中に数百人の広告業界関係者が集まる予定だ。レディー・ガガのパフォーマンスが予定され、登録者数3億7800万人を超えるトップクリエイター、MrBeastも登場する見通しだ。今年のプレゼンテーションのクリエイターホストはブリタニー・ブロスキーが務める。
ネイサンソンのレポートは、バーチャルMVPDであるYouTube TVの成長にも言及している。YouTube TVは2017年にサービスを開始し、2024年2月時点では約800万人の加入者を抱えていた。これはCharter、Comcast、DirecTVに次ぐ米国第4位の有料テレビサービスだ。現在の加入者数は約940万人に上ると推定されている。
コードカッティング(従来のケーブルテレビの解約)が続く中、「YouTube TVは2026年頃までに米国最大の有料テレビプロバイダーになるだろう」とレポートは指摘している。ネイサンソンは2027年のYouTube TV加入者数を1150万人と試算しており、Charterの920万人、Comcastの840万人を上回ると予測する。サービス開始当初35ドル(約5100円)だった月額料金は現在83ドル(約1万2100円)まで値上がりしている。
2023年、YouTubeはNFL Sunday Ticketの放映権を獲得し、日曜の午後にFoxとCBSが放送する地域外の試合をストリーミング配信している。YouTubeはDIRECTVに代わってアップルなどを退け、7年総額140億ドル(約2兆400億円)の契約を締結した。NFL Sunday Ticketは、米国で最も人気のあるスポーツとテレビ番組を取り込む足がかりとなっており、YouTube TVとのバンドル販売も行われている。