・自分の感情は自分でコントロールする:パートナーはあなたをサポートすることはできるが、あなたの感情を管理する責任を負うことはできない。自分のウェルビーイングをパートナーの言動に委ねないため、自分を癒やす方法を見つけ、個人的な不安に対処し、感情的な回復力を養おう。
「パートナーはあなたを補完するわけではない」という真実を受け入れることは、本質的に言えば、パートナーはあなたの感情世界のすべてではなく、その一部であることを受け入れるということだ。強固な結婚生活は、ふたりの個人によって築かれる。つまり、互いを補完しようとするのではなく、互いに支え合うことを選択したふたりが築くものだ。
2. パートナーはあなたを傷つける。あなたもパートナーを傷つける
どれほど愛し合っていても、結婚生活のどこかでパートナーがあなたを傷つける瞬間は訪れる。それは、パートナーがあなたを大切に思っていないからではなく、パートナーも人間だからだ。
パートナーは間違ったことを言ったり、不注意なミスを犯したり、あなたの期待に応えなかったりするだろう。この真実を受け入れるのはつらいことだが、さらに受け入れがたい真実がある。それは、あなたもパートナーを傷つけるということだ。
愛は苦しみから守ってくれると広く信じられているが、ジョン・ゴットマンとジュリー・ゴットマンが2017年に発表した論文では、夫婦関係の安定性に関する45年以上の研究をもとに、夫婦がうまくいくかどうかを左右するのは「傷つかないこと」ではなく、争いの後にどのように関係を修復するかだと示されている。
ゴットマン夫妻による「健全な関係性のある家庭理論」は、関係性を長続きさせる基礎として、争いを建設的なかたちで管理することと感情を修復すること、愛が時間とともにどう進化するかについて深く理解することに焦点を当てている。
この理論をどのように活用すれば、傷を修復し、夫婦関係を強化できるかについて、以下で説明しよう。
●対立を修復の機会として捉え、戦場にしない
ゴットマン夫妻の研究では、結婚生活がうまくいっている夫婦は争いを建設的に管理していることがわかった。つまり争いを避けるのではなく、「関係を損なうことなく修復できる方法」で対処しているということだ。具体的には:
・ソフトに会話を始める:例えば非難や批判を避け、穏やかに敬意を払いながら、難しい話題についての会話を始める。
・影響力を受け入れる:例えば防御的に反応するのではなく、パートナーの視点を理解しようと耳を傾ける。
・修復を試みる:例えばユーモアや愛情表現、相手の気持ちを認めるといった小さなジェスチャーで、緊張を和らげる。
意見の相違があったときでも、感情の修復を念頭に置いて対処することで怒りの定着を防ぐことができ、争いの後でも愛を深められる。
●愛には段階があることを理解する
ゴットマン夫妻の研究から得られたもう1つの重要な洞察は、愛は静的なものではなく、さまざまな段階を経て進化していくものだということだ。これを理解しているカップルはより忍耐強く広い視野をもち、傷ついても乗り越えることができる。
愛の段階は、以下の通りだ。
・第一段階:ロマンチックな愛。情熱と興奮が高まるハネムーン期。ポジティブな感情が上回るため、小さな痛みがあっても、取るに足らないものとして感じられる。
・第二段階:ともに人生を築く。責任が増すにつれて、課題も増えていく。夫婦が本物の争いを経験し、修復と適応を学ぶ時期だ。
・第三段階:成熟した永遠の愛。単なる情熱ではなく、信頼、共通の歴史、安心感に基づく、より深く安定した愛が生まれる。
これらの段階を理解することで、カップルは一時的な争いを乗り越え、長期的な関係に焦点を当てられる。また、つらいと感じる瞬間があっても、成長の過程ではしばしばあることだと認識できるようになる。