キャリア

2025.04.01 08:00

その人間関係まだ必要? キャリアのために「断つべき」5つの関係

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「どんな縁も大事に」というのは、ビジネス界でよく耳にするアドバイスだ。会社や上司、同僚から離れる場合でも、関係を維持することの重要性を強調している。だが、関係を断つことが必要であるだけでなく、それがキャリア形成に役立つとしたらどうだろうか。

実際、仕事面でのすべてのつながりが長期的に有益とは限らない。人脈の維持は新たな展開につながり得るが、有害で非生産的な関係にしがみつくことは、良い結果より害をもたらすことが多い。特定の状況下では、関係を断つことが良いキャリアの追求につながる。すべての関係を維持すべきという考えに盲目的に従うのではなく、その関係が自分の成長に役立つものなのか、それとも妨げになるものなのかを判断し、必要であればためらうことなくその関係を断つべきだ。

関係を断つことが最善の策となり得る理由

仕事上の幅広い人脈は、キャリアにおいて最も価値ある資産のひとつだ。だが、なかにはプロフェッショナルとしての成長の助けになるどころか、足を引っ張るようなつながりもある。関係を断つことが賢明な決断となる場合と、その理由を以下に挙げる。

1. 有害な人間関係で成長を損なう場合

キャリアアップには人脈作りが不可欠だが、有害な人間関係はエネルギーを消耗させ、チャンスを制限してしまう。専門誌『リーダーシップ・クォータリー』に掲載された研究では、害を及ぼす上司や同僚、メンターとつながっている人のストレスレベルは高いことが示されている。人間関係が常にあなたの成長を妨げているのであれば、その関係を断ち切ることが最も健全な決断かもしれない。

2. 利益をもたらさず、時間の浪費になる場合

すべてのつながりが、職業上の成功に貢献するわけではない。時には行き詰まっている、あるいは有益ではない関係を戦略的に断ち切って、人間関係のデトックスが必要なこともある。価値あるつながりに的を絞り、積極的に人脈の質を高めるプロフェッショナルは、高いキャリアの柔軟性と仕事の満足感を実現している。

関係が相互に価値をもたらさない場合や、あなたの足を引っ張るような場合、その関係を断つときかもしれない。

3. 相手に倫理的な懸念がある場合

人の評判は、付き合う人によって形成されることが多い。いかがわしい上司や不誠実なビジネスパートナー、あるいは有害な業界リーダーなど、仕事でつながっている人が非倫理的な行動を取っている場合、その人たちと関わり続けることは百害あって一利なしだ。

倫理観のない人と距離を置くプロフェッショナルは、道義的で信頼できる人だと見られる傾向にあるという調査結果がある。付き合っている人が論理観に欠く場合に関係を断つことは、単に望ましいというだけでなく、自分の誠実さと今後のキャリアを守るために必要なことだ。

4. 明確に意思表示をしたい場合

キャリアにおいて、公に決別することが強力なメッセージの発信となるときがある。ブラックな労働環境や有害なビジネス慣行から公然と距離を置くリーダーは、信頼と尊敬を集めることが多い。

有害な環境を良しとしないプロフェッショナルは、長期的に確固たる評判を築き、リーダーシップを発揮する大きな機会を得ている。静かに社を去ることが壊れたシステムの存続を意味するのであれば、意図的に関係を断つことは価値観の表明となる。

5. 関係がすでに崩壊している場合

場合によっては、関係を断つというのは選択ではなく不可欠なものだ。元雇用主や同僚が良識をもたず、あなたの評判を傷つけたりあなたのキャリアを損なうような場合、そうした人との関係を維持する価値はほとんどない。一方的な関係を修復しようとするよりも、前進してより協力的なプロフェッショナルの人脈づくりに注力する方が、賢明である場合が多い。

次ページ > プロフェッショナルとして関係を断つには

翻訳=溝口慈子

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