1. 「自分は何をコントロールできるのか」を認識する
外部の出来事はコントロールできないが、それに対する自分の反応はコントールできる、と認識する。この考え方によって、回復力が育まれ、予測不可能な状況に対する不安が軽減される。
ホリデイは、次のように述べている。「自分でコントロールできることもあれば、できないこともある。私たちは、自分の意見や選択、欲望、嫌悪、つまり、自分で行うことすべてをコントロールできる。一方で私たちは、自分の体や財産、評判、地位、つまり、自分で行うこと以外のすべてをコントロールできない」
2. 「自分でコントロールできないこと」を受け入れる
「コントロールできないこと」をコントロールしようとすると、フラストレーションにつながる、ということを理解しよう。「コントロールできないこと」を受け入れれば、リーダーは、混乱の中でも落ち着き、冷静な判断を下すことができる。
『心穏やかに生きる哲学』(邦訳:ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者ブリジッド・ディレニーは、状況に対して感情的に反応した時でも、自分を責めることはないと述べている。これもストア哲学のおかげだ。「重要なのは、平静な心を保つことだ。自分の理性的な心を守ることによって、道から外れてしまった時でも、素早く元の道に戻ることができる」
3. 意図的な行動に集中し、自分のどんな姿を表に出すか、ということに集中する
どのような状況に置かれても、自分の反応についてはコントロールできる。私たちは感情的な生き物であり、状況に左右され、いら立ちや恐怖、空想に駆り立てられているようにしばしば感じられるが、実際には、自分が周囲の世界にどう反応するかについては、私たちの思考が決定している。
未来は謎であり、過去は歴史だ。では今、あなたがコントロールできることは何だろう? それがセネカの重要なメッセージだ。「2つの要素を根絶しなければならない。未来の苦しみに対する恐怖と、過去の苦しみの記憶だ。後者はもう無関係なことで、前者はまだ無関係なことだ」
後悔は二重の苦しみであり、未来への不安は想像力の誤用だ(言うは易く行うは難し、ではあるが)。状態指向(「私はどう感じているか?」)から、行動指向(「私に何ができるか?」)への移行は、「自分でコントロールできること」に焦点を当てることを意味する。ストア派によれば、あなたの人生とは、自分の行動の総和だ(自分の感情の総和ではなく)。