高い成果をあげるチームに最も重要なコミュニケーションの要素は、双方向コミュニケーションだ。そのあり方はチームのリーダー、メンバー、オンボーディング(組織への順応)を図る経営幹部など、立場によって異なる。しかしどの立場でもうまく活用することで、相手を理解すること、そして自分の伝えたいことを正しく相手に理解して信じてもらうことができる。
コミュニケーションは、経営幹部のオンボーディングや有能なチーム育成を加速させる「戦術的能力(Tactical Capacity)」の構成要素のひとつだ。すべての構成要素を適切に配置することはもちろん、各構成要素の鍵となるポイントに焦点をあてることが重要になる。
・熱い指令:ともに生み出し、共有されたパーパス(長期的目標)
・マイルストーンの管理:学習と適応に対する体系的なアプローチ
・早期の成功:統制のとれた委任
・役割の整理:互いに補いあう強みの活用
・コミュニケーション:常に双方向
発言や沈黙、行動、すべてがコミュニケーションであることを、私たちは皆知っている。そしてそれを当然のように受け止めたり、時には忘れたり、充分な注意を払わなかったりすることもある。そうした事態を避けるために、次の3ステップの枠組みに注目し、従ってみてほしい。
1. まずは目的から始めよう
あなたが直接的・間接的にコミュニケーションをとっている相手に、「認識していない状態→認識→理解→信頼→行動」(到達地点X)という一連の流れにおいて、現在の状態から望ましい状態へと変化してもらうために、どんな影響を与えたいのか。また、あなたとその人自身についてどう感じてほしいのか(隠れたX)、についても検討しよう。
2. 戦略、メッセージ、コミュニケーションの重点を徹底的に考えよう
現状と到達地点Xまでのギャップを埋めるために、伝えるべきことを選ぼう。そのためには相手が何に気づき、理解し(理性)、信じ、感じる(感情)必要があるかをよく考えよう。そこからアプローチ(戦略)、メッセージ(見出しの言葉)、コミュニケーションの3つのポイントが生まれる。
3. 伝えよう
発言か行動か、対面かオンラインか、同時に伝えるか個別に伝えるかなど、最適な手段と組み合わせ、タイミングで相手に伝えよう。
経営幹部の場合
新たな役職に就く経営幹部の場合、周囲に自らの評価を委ねるのではなく、自分で自らの立ち位置を明確にしていく前提で、メッセージを発信することから始めるべきだ。また、常に情報を吸収して思考を最善の状態に鍛えている必要がある。でなければ勝利に必要なことを全員が理解しているような、高い成果をあげるチームを築くことはできないだろう。
新たなリーダーはまず、理解を求めるべきだ。リーダーが発する質問も含め、あらゆるものがコミュニケーションの手段となる。そのためリーダーは自分とチームにとって最も重要なことを凝縮したメッセージを、頭に入れておく必要がある。
そのメッセージからは、3つのコミュニケーションのポイントが生まれるはずだ。最適なのは、早い段階において質問として伝えることだ。例えば、新任の動物園園長なら「すべての動物に喜びをもたらす(人間も含む)」というメッセージが考えられる。そこから生まれる質問は、例えば次のようなものになる。
1. 動物園の動物や来場者に喜びをもたらすために、あなたやチームはどんなことをしているか?
2. それをもっと良くする方法には、どのようなものがあるか?
3. 私が力になれることは何だろう?