「自分が求めている情報をこれまでよりすばやく入手できることから、オンラインショッピングをする消費者はAI搭載のチャットを使用することに価値を感じている」とアドビの主任アナリスト、ビベク・パンディアは分析している。
パンディアはまた、「調査ではAIをショッピングに使用したことがある人の92%が、AIで買い物体験が向上したと回答し、87%が高額あるいは判断が難しい買い物でAIを使用する可能性が高いと答えた」と説明した。
消費者5000人を対象に行った調査では、55%の人がAIの最も一般的な用途は「リサーチ」と回答。このほか、製品のレコメンデーションのチェック(47%)、セール情報探し(43%)、プレゼントのアイデア探し(35%)、ユニークな製品探し(35%)、ショッピングリストの作成(33%)なども挙げられた。
Adobe Analyticsのデータでは、生成AI経由でサイトを訪問した後に購入するケースが増えていることも示されている。生成AI経由の場合、他のトラフィックソースと比べて購入に至る割合は9%低いものの、昨年7月には43%下回っていたことから大幅な改善が見られる。
他のトラフィックソースとの差が縮小していることについて、アドビは「消費者が、AI搭載のチャットを活用して商品を即時購入することに慣れつつあることを示している」と解説している。
AIチャットの使用は、スマホよりデスクトップから
レポートによると、AI経由のトラフィックはモバイル端末より主にデスクトップ端末で発生しており、消費者はAIチャットのやり取りはノートパソコンやデスクトップ端末の方が簡単だと感じている。
AI経由のトラフィックのコンバージョン率は家電製品と宝飾品類で最も高く、アパレルや家庭用品、食料品で最も低かった。
旅行計画でのAI活用も著しく増えており、米国の旅行・レジャー・ホスピタリティ関連サイトへのAI経由のトラフィックは昨年7月から2月にかけて1700%増えた。
金融サービスおよび銀行関連のサイトへのアクセスでも同様で、米国の銀行関連サイトへのAI経由のトラフィックは、同期間に1200%増えた。