2023年の登場以来、Adobe Fireflyにより180億点ものコンテンツが生成されているという。Fireflyは画像生成AIとしてトップを走るサービスだが、現在、OpenAIやグーグルなどからも画像・動画生成AIがそれぞれ発表、提供されており、ユーザーとしては選べる時代になったようにも感じられる。
さらに進化したAdobe Fireflyの新機能とアドバンテージは。AIはクリエイターの仕事をどう変え、どう変えていくのか。同社のデザイン担当バイスプレジデントであるエリック・スノーデン氏に聞いた。
商用利用も可能な動画をAIが生成
Adobe Fireflyはアドビの独自開発による生成AIモデルだ。2023年3月にAdobe Firefly webアプリとして画像生成AIのベータ版からスタートして、同年9月には一般提供を始めている。2025年2月時点、Adobe Fireflyはクラウドサービスとして提供されており、PC、モバイルデバイスのWebブラウザから利用できる。さらにAdobe Creative Cloudの写真編集ツールであるPhotoshop、イラストツールのIllustrator、あるいは一般ユーザーによるソーシャルグラフィックスの作成などにも広く使われている統合型クリエーションツールのAdobe Expressといった同社のアプリケーションには、Adobe Fireflyの機能が搭載されており、Webアプリで作成したコンテンツを活用できるように、プラットフォーム連携も整っている。
サービスの開始以来、Adobe Fireflyは生成できるコンテンツを画像から音声、ベクター、3Dオブジェクトなどに拡大してきた。満を持して動画生成にも対応した格好だ。Adobe Firefly web版は「動画生成(ベータ版)」として、ビデオ編集ツールのAdobe Premiere Proでは「生成拡張(ベータ版)」として2月13日から動画生成を追加している。

アドビはコンテンツ認証イニシアチブ(CAI)の共同設立メンバーでもあることから、Adobe Fireflyで生成された動画コンテンツの透明性も確保する。今後は動画がAIにより生成されたことをメタ情報として付与する「コンテンツクレデンシャル」にも今後対応する予定だ。