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2025.02.18 10:30

AIはクリエイターを幸せにする? アドビ幹部が語る「生産性と安全性」の向上

Adobe MAX Japan 2025の開催機会に合わせて、アドビ本社から来日したデザイン担当バイスプレジデントであるエリック・スノーデン氏が日本の記者によるグループインタビューに応えた

アドビはFireflyの成果について、サブスクリプションのセールスボリュームや登録ユーザー数を公開していないが、実績としてはFireflyに由来する生成AIサービスが累計180億を超えるコンテンツ生成に利用されているという。これは、AdobeのCreative Cloudのユーザー「気づかぬうちに生成AI機能を活用しているからだ」とスノーデン氏は説いている。

「私もカメラで撮影した写真データをPhotoshopのニューラルフィルターで加工しています。IllustratorやLightroomなど、クリエイターの方々が日々活用するアドビのアプリケーションと、各ツールによるワークフローに織り込まれながらFireflyは進化を続けています。Fireflyを活用しているクリエイターの数としては公表はしていませんが、『もはやFireflyを使ってないAdobeユーザーはいない』といっても過言ではありません」

Adobe Fireflyのユーザーが、機能の拡大と足並みを合わせて着実に増えていると語るスノーデン氏

Adobe Fireflyのユーザーが、機能の拡大と足並みを合わせて着実に増えていると語るスノーデン氏

Adobe Fireflyに関連する生成AIツールは、仕事のスピードアップと効率化のメリットをもたらしているとスノーデン氏は胸を張る。

「多くのクリエイターはある1つのアセットを元に、複数のバリエーションを制作する仕事をクライアントから求められることがあります。Fireflyを活用すると、1からアイデアを出す段階から、複数のバリエーションを制作するまでのプロセスが目覚ましいほどに効率化できます。AIによるクリエイティブワークは、得てしてユーザーの期待どおりに生成されない場合もあります。Adobe Fireflyのアプリケーションは、テキストプロンプトや生成後の編集ツールを活用して、ユーザーが手綱を握ることができます。結果、AIが描いたものが理想から離れていても、イメージに近いものが効率よく生産できます。クリエイターが生成AIをストレスなく使える環境を提供することこそ、アドビは大事にするべきと考えています」

AIがすべてのクリエイターの可能性を育む

Adobe Fireflyの登場以来、プロフェッショナルのクリエイターができることも拡大しているという。スノーデン氏は「例えば写真家として優れているクリエイターが、イラストを描くことにも長けているとは限りません。Adobe Fireflyを活用すると、1人のクリエイターがさまざまな創作手法を組み合わせた成果物を創り、クライアントに提供できる」ことが、クリエイターの仕事に大きな変革をもたらしていると話す。

Adobe Fireflyの動画生成はテキストプロンプトを入力するだけで意中のビデオが生成される

Adobe Fireflyの動画生成はテキストプロンプトを入力するだけで意中のビデオが生成される

次ページ > AIを活用するクリエイターとその仕事も正当に評価されるのか

編集=安井克至

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