すでに現場でも使われているオリジナルの「AI PACK」
Hakuhodo DY ONEは、デジタルクリエイティブの制作過程にAIを組み込む「HDYONE AI PACK」を開発した。AI PACKはタイプが異なる複数のAIツールによって構成されるクリエイティブスイートだ。
例えばChatGPTを広告戦略用にカスタマイズした「CREATIVE BLOOM PLANNING」は、該当する商材のURLを入力するだけで、広告のターゲットとすべきペルソナを抽出。競合分析に基づくカスタマージャーニーのプランニングや、複数パターンのキャッチコピー生成などのタスクをこなす。ほかにも検索広告用の広告テキストを自動生成する「CREATIVE BLOOM TEXT Ads」というツールもある。
ディスプレイ広告に特化したツール「CREATIVE BLOOM DISPLAY Ads」には、AIによって静止画や動画のようなビジュアル広告を見た人の注視点を予測し、ヒートマップとして可視化する機能を搭載。また、CTR(クリック率)を予測する「CTRシミュレーター」機能も備えている。

広告のビジュアル制作には、米アドビの画像生成AIツール「Adobe Firefly」をAI PACKの中に組み込んだ。石井氏は「Adobe Fireflyはクリエイティブのバリエーションを増やすためにとても有効なツール」だと話す。
これまでは独自に撮影した素材、レンポジ(ストックフォト)を組み合わせて静止画・動画広告を制作するスタイルが一般的だった。相応のコストと時間の手間もかかるため、クリエイティブの「バリエーションを増やす」ことは困難だった。Adobe Fireflyをワークフローに組み込むことによりクリエイティブの多様化が促進され、GoogleやMetaをはじめとするデジタルプラットフォーマーのAIツールによる効果を最大化した「勝ち」クリエイティブが作れる。

AI活用が生む仕事の「効率化と高度化」
Hakuhodo DY ONEの石井氏は、広告制作においてAIツールを活用することの効果は「仕事の効率化と高度化」に結びつくと語っている。AI PACKの導入効果を例に挙げるとすれば、CREATIVE BLOOM PLANNINGのペルソナ生成やコピー生成などは仕事の効率化を促すAIツールだ。