さらに会場からは、「アトツギとしてのプレッシャーをどう乗り越えているのか」という質問も。それには、男性中心のコンテナハウス業界で活躍する濱田が回答した。
「立場上クライアントと社員との間に入らなくてはいけないので、時にクライアント企業の社長からの電話にひるんでしまうこともあります。デザイナーや工務店など、現場でさまざまなスタッフを束ねるコーディネーターの役割も担っているのですが、自分の処理能力が足りないと、人知れず何度も泣きました。アトツギだって人間ですから、自分を解放させないとやっていけません。カタルシスは重要。弱さを見せても、泣いてもいいんだと思います」(濱田)
今回、登壇したアトツギたちに共通していること、それは社員である職人を愛して真っ直ぐに向き合い、リスペクトしているということ。その謙虚さが周囲の心を動かし、それぞれが掲げるゴールに向けて走り続けるエンジンになっている。
時に壁にぶつかりながらも、前進を続けるアトツギ達から発せられた正直な言葉は、会場に詰めかけた観客に多くのヒントと勇気を与えたことだろう。