「現地で働くこうした専門家たちは、大抵その街のことを何でもよく知っています。危険が潜んでいる場所も教えてくれるでしょう」
曲がる角をひとつ間違えただけで、危険なエリアに入り込んでしまう場合もある。米国では春休みに多くの旅行者が訪れるニューオリンズも、そうした経験が報告されている都市のひとつだ。実際に怖い思いをしたため、その後は必ず、地元の人(特にサービス業の人)にアドバイスを求めるようにしているという人もいる。
自分の身は自分で守る
たとえ行き先がSNSやアプリ、公的な情報で「安全」とされている都市でも、危険がないわけではない。旅先での安全の確保を支援するGlobal Secure Resources(グローバル・セキュア・リソーシズ)のキャリー・パスクアレロCEOは、旅行中は警戒を怠らないことだと話す。
旅行者が多い地区にある評判の良い宿泊施設に泊まること、流しのタクシーを拾うよりも信頼できる交通機関を利用すること、なるべくグループで移動することなどが重要だという。また、狙われないようにするため、高価なものを身につけないこと、緊急連絡先はすぐに確認できるようにしておくことなどもすすめている。
つまり、旅先の安全性について調べることは、最初の一歩にすぎないということだ。パスクアレロによると、必要なのは「備えておくこと、先を見越して行動すること」そうすることが、「自分を守ることにつながる」という。
覚えておくべきこと
とはいえ、いくら入念に調べておいても、現地の状況を正確に把握するのは難しい。最も安全なエリアと最も危険なエリアが、隣り合っている場合もある。例えば、南アフリカのケープタウンも、そうした都市のひとつだ。
だからこそ、重要なのは周囲に注意を払うこと、自分の直感を信じることだ。たとえ安全だとされる場所でも、危険を感じたらすぐにその場を離れること。実際、事前にどれだけ調べておいても、旅先で起こる予期せぬ出来事に、完璧に備えておくことはできない。
現地の習慣を知り、適応すること、尊重すること、これらを覚えておくことで、恐らく50%は備えることができる。だが、残り半分のために必要なのは、いつでも「常識を忘れずにいること」だ。