自分の貢献がリーダーから評価されていると感じる従業員は、イニシアチブをとり、能力を最大限に発揮する傾向が強い。世界的な調査では、仕事に積極的に関与する従業員は30%にすぎないとされる。こうした現状を考えれば、改善の余地はまだたっぷりある。
従業員たちが仕事に積極的に関与する職場文化を生み出したいのなら、リーダーは、コミュニケーションにおいて意識的になり、自分が使うすべての言葉で、信頼とモチベーションを高めるようにしなければならない。「効果的なリーダーシップに役立つコミュニケーション」と「日々のおしゃべり」を分けるものは、適切な言葉を選ぼうとする意識だ。つまり、モチベーションと明確さを生み出す言葉を、意識的に使う必要があるのだ。
リーダーが使う言葉
言葉は、精神的な枠組みをかたちづくり、その枠組みが、人が状況をどう解釈するかを左右する。ポジティブで自信に満ちた行動志向の言葉は積極性の向上につながるのに対し、曖昧、ネガティブ、受け身の表現は混乱や消極性を生み出す。チームに向けたリーダーの発言として、以下の2つの表現を考えてみよう。
・「我々には問題がある。どう解決すればいいのか、私にはわからない」
・「我々には課題がある。我々は皆で解決策を見つけられると、私は確信している」
どちらも厄介な状況を認めている点は同じだが、2つ目の表現は、楽観的な姿勢と、チームの能力に対する信頼を伝えている。こちらの方が、前向きな行動を生み出す可能性が高い。