モチベーションを削ぐ表現
意識的であっても、そうでなくても、ある種の表現は従業員のやる気をくじいてしまう。以下では、モチベーションを削ぐ表現としてよくある例をいくつか挙げ、それを避けるべき理由を説明しよう。・「それくらい、当然分かっていないと」:この言い方では、問題解決よりも叱責の印象を与える。従業員は、ミスから学ぶのではなく、ミスをすること自体を恐れるようになる
・「それは、この会社の流儀ではない」:新しいアイデアは歓迎されていないと暗に伝えるこうした表現は、創造性を即座に締め出し、イノベーションを妨げる
・「それは、あなたの手には負えない」:能力に対する信頼が限定的だという印象を与え、その結果、向上心と、イニシアチブをとる意欲を抑えつける
・「とにかく言われたとおりにしろ」:マイクロマネジメントをする人がよく使うこの表現は消極性につながる
・「あれこれと考えすぎだよ」:この言い方をすると、従業員の「思考プロセス」がたちまち無価値になり、今後、アイデアを出して貢献しようとする可能性が低くなる
・「私は今、その問題のための時間がない」:従業員が、自分の懸念や貢献は重要ではないと感じてしまう
モチベーションを高める表現
適切な言葉は、問題解決を促進する。リーダーが、相手を力づける表現を使えば、ストレスが減り、ポジティブな職場環境が生まれる。以下では、信頼を高める表現をいくつか紹介しよう。・「あなたなら対応できると、私は信頼している」:この表現は、相手の能力に対する信頼を伝え、自主性と意思決定のスキルを強化する
・「あなたの努力を私は高く評価している」:言い方が真摯であれば、承認と評価の印象を強め、自分の行動はきちんと見られており、評価されている、と従業員に感じさせることができる
・「どうすればいいか、一緒に考えよう」:リーダーがこう言うことで、孤立を防げる
・「あなたの考えは貴重だ」:この表現は従業員の貢献を肯定し、アイデアを伝える自信と意欲を高める
・「あなたがこの課題に対処できることはわかっている」:思慮深いリーダーは、従業員の能力を褒め、自信とモチベーションを培う
・「これに関して、私はどうすればあなたをサポートできるだろうか?」:この質問なら、リーダーを、単なる「指示を出す者」ではなくパートナーとして位置づけることができる
・「素晴らしい仕事だ! これをさらに進展させるやり方は……」:こうした意識的な言葉を組み合わせることで、肯定的な支援を行い、継続的な成長を促すことができる