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2025.02.04 08:00

未来学者が選出、世界の「人型ロボット」メーカー主要16社の内訳

テスラの人型ロボット「Optimus」2024年9月撮影(Photo credit should read CFOTO/Future Publishing via Getty Images)

さらに人型ロボットの競争には軍事的な側面もある。ロシアとウクライナの戦争からも分かるように、ドローンやロボットなどの人工知能(AI)関連のテクノロジーは近年、決定的な戦力になりつつある。

米国を拠点とする防衛スタートアップのAnduril(アンドゥリル)は最近、オハイオ州に数十億ドル規模の自律型兵器の巨大工場を建設する計画を発表した。この工場は、米国およびその同盟国向けの自律型兵器の生産速度と規模を一新することを目的としている。

また、人型ロボットがどの程度の価格になるかも重要なポイントと言える。ディアマンディスは、このようなロボットが今後10年以内に3万ドル(約500万円)程度の価格帯になると予測しており、リース価格に換算すると1日約10ドルになると考えられる。

「過去40年あまりで中国が成功した要因は、低い労働コストにあった、しかし、中国の生活費は上昇しており、労働コストも上がっている」とディアマンディスは指摘するが、これは中国に限った話ではない。米国でも同様だ。

「カリフォルニア州の最低賃金は時給20ドルだ。そんな中、時給40セントのロボットを導入しない理由があるだろうか? しかもロボットは24時間365日稼働し、病欠もしない。これは非常に魅力的な選択肢だ」と彼は続けた。

さらに、もう1つの大きなニーズは高齢者介護の現場だ。国連の予測によれば、2030年には米国の人口構成が「24~69歳の100人に対して70歳以上の高齢者が25人」という社会になり、高齢者のケアが社会全体の大きな課題となる。そんな中、人型ロボットが一部の負担を肩代わりすることで大きな助けとなるだろう。

最終的に最も重要な疑問は、「ポスト労働社会において、人類はどんな世界を目指すのか?」というものだ。インド人思想家のサドグルは、「テクノロジーは、人類を基本的な苦労から解放するためのツールだ」と述べている。

しかし、人型ロボットの進化がどこへ向かうのかは予測が難しい。ロシアとウクライナの戦争の現状や、米国の拡大する経済格差を見れば、テクノロジーがもたらす未来には光と影の両面があることが明らかだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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