マスクは、6月に開かれたテスラの年次株主総会で、現在開発中のオプティマスを来年には生産に移行させ、同社の工場で数千台のユニットを稼働させる可能性があると語った。
自身を「病的な楽観主義者」と称するマスクは、テスラがヒューマノイドロボット分野で最も有利な立場にあると考えており、これらのロボットが同社の最も価値のある資産になると主張した。彼は、このロボットが同社の時価総額を40倍以上に押し上げると主張している。
ジョージア工科大学の助教授で、AIロボティクスを専門とするアニメッシュ・ガーグは、フォーブスの取材に対し、マスクのタイムラインはかなり野心的だが、不可能ではないと語った。しかし、このロボットのスキルがどれほど役に立つものか、どの程度の耐久性を備えているかが疑問だと指摘した。
ガーグは特に、ロボットの手がどれほど堅牢で有用なものになるかが不明だと指摘した。彼はまた、オプティマスが単純な移動や、物を拾い上げるタスク以上のものを実行できるとは考えにくく、窓やドアを開け締めするなどの複雑な動作の実現には、1年か2年が必要になる可能性があると語った。
英国のシェフィールド大学でロボット工学を研究するジョナサン・エイトケンは、2025年というタイムラインについて「不可能ではないが、マスクが実際にどのような機能を計画しているかによる」と述べた。
フロリダ州立大学のロボット工学教授であるクリスチャン・フビッキは、年末までにオプティマスの作り込まれたデモ動画が公開されるかもしれないが、そこで描かれた機能を持つロボットを、実際に顧客に届けることは「きわめて困難だ」と警告した。
フビッキは、テスラやボストンダイナミクス、フィギュアAIなどのヒューマノイドロボットには、デモ動画からは見えてこない重要な未知の要素がいくつかあると述べている。その中で最も重要なのは信頼性であり、「信頼できるロボットのみが、有用なロボットだ」と彼は述べた。フビッキはまた、これらのロボットを制御するソフトウェアが開発段階であり、ハードウェアも壊れやすいと指摘した。