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2024.12.21 08:00

人型ロボットの米Figureが初の商用版を発表、「棺桶サイズ」の箱で発送

商業クライアント向けの出荷を開始したヒューマノイドロボット「Figure 02」(C)linkedin Brett Adcock

商業クライアント向けの出荷を開始したヒューマノイドロボット「Figure 02」(C)linkedin Brett Adcock

人型ロボットを開発するスタートアップ、Figure(フィギュア)のCEOを務めるブレット・アドコックは12月17日、同社の最新モデルであるFigure 02の商業クライアント向けの出荷を開始したと発表した。

「当社のF.02人型ロボットが商業顧客の元に到着した。すでにネットワークに接続されて、事前チェックを行っている」とアドコックはリンクトインに投稿した。

Figure 02は、身長が約167センチメートル、重量が約70キログラムの人型ロボットで、1回の充電で約20キログラムの荷物を運ぶ作業を5時間行えるという。また、歩くスピードは時速約4.8キロメートルで、階段に登ることも可能だ。このロボットは、ドアを開けたり道具を使った作業を行なうための手を備えており、さまざまな動作が可能という。Figure 02は、人間の棺桶のサイズの箱に梱包されて出荷される。

カリフォルニア州サニーベールを拠点とするフィギュアは、1月にBMWとの協業を発表し、自社のロボットをサウスカロライナ州の製造工場で働かせることを目標に掲げた。そして2月に同社は、マイクロソフトやエヌビディア、OpenAIのスタートアップファンド、ジェフ・ベゾスなどから26億ドル(約4100億円)の評価額で6億7500万ドル(約1060億円)を調達した。同社はまた、人型ロボット用の人工知能(AI)モデルを開発するための協業契約をOpenAIと締結した。


フィギュアによると、Figure 02が歩くスピードは、以前のモデルの約7倍の速度に達しているという。同社が1年も経たないうちに7倍のスピードを実現したことは、人型ロボットが驚異的な速度で進化していることを示している。

筆者が確認したあるレポートは、フィギュアのロボットが15年以内に月額500ドル未満でリース可能になると予測していたが、今回のニュースを踏まえると、同社のロボットはそれよりももっと早く普及するかもしれない。

人型ロボットは、あと数年もすれば、速度面で人間に匹敵するか、人間を上回るようになり、現在よりもはるかに高度な作業が可能になると期待される。

フィギュアは、公開済みのマスタープランの中で次のように述べている。「現状では、人間の手作業に対する報酬が、商品やサービス価格の主な要因となっており、世界のGDPの約50%を占めています。しかし、これらのロボットが労働力に加わることで、工場から農地までのあらゆる場所の労働コストが低下します。さらに、将来的にロボットが他のロボットを作ることが可能になれば、人間は完全にこのプロセスから離れることになるかもしれません」

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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