この動画の信憑性は置いておくとしても、ドローンまたは何らかの不可解な物体を目撃した人が少なからずいること自体に疑いの余地はない。一方で、その証拠だとされる写真や動画の被写体が、ヘリコプターや着陸態勢に入った航空機など、説明のつく存在だった事例もたくさん見た。なんと、金星を見間違えたらしいケースすらある。そこで、この騒動の根を掘り下げてみるのも面白そうだと思った。
まず、背景を説明しておこう。ここ数週間、コネティカット州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州、バージニア州など米東海岸の北東部~中部一帯で、正体不明のドローンの目撃情報が相次いでいる。一般市民や議員たちから疑問や不安、不満の声が上がるのはもっともだ。連邦当局は、敵性勢力や宇宙人による侵略の差し迫った脅威はないと主張している。
CNNの報道によれば「連邦捜査局(FBI)と国土安全保障省(DHS)は、ドローン目撃情報の多くは合法的に運用されている小型有人機を市民が誤認したものとみている」という。商用ドローンやその他の飛行物体を誤認したケースもありそうだ。
アレハンドロ・マヨルカス国土安全保障長官は国民に対し、安全保障上の脅威はないと強調した。米政治専門誌ザ・ヒルのサラ・フォーティンスキー記者は、こう記している。「マヨルカス長官は、毎日数千機のドローンが飛行していると述べ、最近の規則変更によりドローンの夜間飛行が可能になった点を指摘した」