欧州

2024.11.15 09:30

ロシア軍、クルスク州で「キルゾーン」にはまり損害続出 指揮官の偽情報も一因か

Shutterstock.com

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ロシア西部クルスク州でウクライナ軍が保持する650平方kmほどの突出部を排除するため、ロシア軍が新たな反攻に乗り出して1週間が経過した。ロシア軍は凄まじい人的損害を被る一方、これまでのところ目立った戦果に乏しい。

ロシア軍は突出部北端のポグレブキ村を奪還した。だが、突出部の北西周縁に対する突撃に失敗し、命を落とした何百人ものロシア兵にとっては、それはほとんど慰めにならないだろう。

ロシア側にとって問題は2つある。ひとつは、北側や西側から突出部に入る道路が限られることだ。ロシア軍はこれらの道路で過去に撃退されながら、なお連日同じ道路から攻撃してきている。もうひとつは、ロシア軍の指揮官が突出部内のウクライナ軍部隊の配置などについて、部隊に正確な情報を与えていない場合があるらしいことだ。

つまり、ロシア軍の攻撃は予測可能で、やみくもなものになっている。これでは大きな損害を出す結果になるのは目に見えている。クルスク州で防御戦を支援しているウクライナ軍ドローン(無人機)操縦士のKriegsforcher(クリークスフォルシャー)は、13日までにロシア軍の車両の損害を88両確認している。車両の残骸は、突出部北西翼の中間地帯にある集落、ゼリョーヌイ・シュリャフ一帯を通る幹線道路3本やそのそばに転がっているようだ。

うち11両は、ロシア軍の第51親衛空挺連隊、第155独立親衛海軍歩兵旅団、第83独立空挺強襲旅団、第810独立海軍歩兵旅団が13日に出した損害だ。損害が今後さらにかさんでいくのは間違いない。Kriegsforcherは、ロシア軍は「AFV(装甲戦闘車)に乗って毎日攻撃してきます。たいていは1回の攻撃につき4~6両です」と報告している。

ウクライナ軍の第17独立重機械化旅団、第41、第47両独立機械化旅団、第95独立空挺強襲旅団などが、地雷や大砲、ミサイル、ドローン、戦車でロシア軍部隊を迎え撃っている。9日の戦闘は非常に接近して混沌としたものだったらしく、Kriegsforcherによるとウクライナ軍の戦車2両とロシア軍の装甲車両4両が、互いに気づかないまま近くを通り過ぎる場面もあったという。

ロシア軍の車両が突撃兵15人を降ろした時点でようやくウクライナ軍の戦車側はその存在に気づき、1両を撃破したとKriegsforcherは説明している
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翻訳・編集=江戸伸禎

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