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欧州

2024.11.06 18:00

ロシア軍が東部テルニで南進、ウクライナは米国製・国産対戦車ミサイルの「合せ技」で応戦

ウクライナ製の対戦車ミサイルシステム「ストゥーフナ-P」。2019年8月、リビウ(ANDRIY B / Shutterstock.com)

ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州戦線の複数の重要正面で前進している。ウクライナ側の要塞都市ポクロウシク市に向けてじわじわと前進すると同時に、ポクロウシク南方のクラホベ市付近ではウクライナ軍部隊を徐々に包囲している

ポクロウシクから北へ100kmほど離れたテルニ村の一帯では、ロシア軍は同村などジャレベツィ川沿いの村々を少しずつ南下し、ザリーチネ町を目指している。ザリーチネを落とせば、ロシア軍は西に方向を変えてリマン市に向かう可能性がある。リマンは、その南東のシベルシク市などを含むこの方面の戦略的に重要な数珠つなぎの都市のひとつだ。

テルミ正面に配置されているウクライナ陸軍の2個旅団、第60独立機械化旅団と第66独立機械化旅団は、対戦車ミサイルを駆使してロシア軍の進撃を遅らせようとしている。

3日ごろ、ザリーチネに向かう途上の最後から2つ目の集落にあたるテルニの北端にあるロシア側陣地から、ロシア軍の第283自動車化狙撃連隊に所属するとみられる強襲グループが南下してきた。

だが、あまり先まで進めなかった。ウクライナ側の対戦車ミサイルチームは、米国製のジャベリン対戦車ミサイルやウクライナ製のストゥーフナ-P対戦車ミサイルをロシア側の車両少なくとも4両に命中させた
第60機械化旅団は「ロシア軍の装備は無力化された」と報告している。ロシア側にとってさらに悪いことに、これらの車両はおそらく歩兵を満載していた。ロシア軍の人員の損害は数十人にのぼった可能性がある。

ウクライナ側が用いたミサイルの組み合わせは注目に値する。重量約16kgのジャベリンは、赤外線誘導で最長4km先の目標を攻撃できる。第60機械化旅団の映像でもはっきりわかるように、発射後に上昇してから急降下し、敵車両の装甲が最も薄い上部をたたく「トップアタック」が可能だ。

他方、重量約30kgでレーザー誘導のストゥーフナ-Pは、ほぼ水平の角度で発射して直接攻撃する「ダイレクトアタック」式なので、敵車両を貫通するにはより多くの装甲を撃ち抜く必要がある。乗員にとっての慰めは、ストゥーフナ-Pは遠隔発射機能を備えることだ。射手は離れた場所から発射できるので、敵側からの応射を避けるのに役立つ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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