サイエンス

2024.11.04 15:00

カップルを離婚に追い込む、注意すべき性格特性

順調に関係を育んでいくためには、双方が「自分の感情的ニーズは満たされている」と感じる必要がある。ストレスに冷静に対処し、互いの感情的ニーズに応じることのできるカップルは、親密で信頼しあえる関係を築いていけるだろう。だが、どちらかが絶えず怒りや不安、不満を抱いている場合は、相手を支えることは難しくなる。こうした力関係ができあがると、カップルが健全な絆を維持する上で必要な親密さが蝕まれてしまう。

研究チームは「家族システム論(家族をそれぞれが影響し合うシステムとしてとらえ、各メンバーが抱える問題を家族システムの病理ととらえる考え方)によれば、カップルは感情的な共同体を形成しており、その結果として相互が感情的に結びつくようになる。カップル間では、片方の感情的な体験がもう一方に伝染する」と述べ、パートナーのいずれかの感情的な反応が関係性に波及効果をもたらす点を強調している。

研究者によれば、感情的に反応しやすい傾向による悪影響として、離脱行動が起きる場合がある。たとえば、身体的接触を避けたり、相手の感情を無視したり、重要な話し合いを拒否したりするようになるという。何らかの手を打たなければ、孤独感や恨みの感情による負の連鎖に陥り、やがては離婚に至ってしまう。

感情に対して意識的で、自らを律するよう努め、互いのニーズへの認識力を高めようと努めるカップルは、結婚生活における否定的な反応のサイクルを断ち切ることができる。

大切なのは、感情を安定させたいからといって、ストレスを避ければいいわけではないことだ。ストレスを感じたときはそれにうまく対処し、カップルが安心感や信頼感、親密さを保てるようにすることが重要だ。

要するに、結婚生活で感情的なつながりを維持するためには、個々人が感情面で成長することが欠かせない。愛は2人の相性がよければ始まるかもしれないが、愛が花開くには、自己認識と情緒応答性(相手の状態に合わせて情緒的に十分な対応ができること)、そして、嵐のさなかにあっても安らぎを見つける術を学ぶことが必要なのだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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