サイエンス

2024.11.04 15:00

カップルを離婚に追い込む、注意すべき性格特性

仮に、パートナーがゴミ出しをつい忘れてしまったとしよう。他意がなかったにもかかわらず、神経症的傾向が強い配偶者は、自分を尊重していないせいだとか、相手は常に不注意だとみて、必要以上に険悪なケンカに発展してしまう可能性がある。

こうした否定的な状況が度重なれば、双方ともいらいらが募り、結婚生活は安心できるどころか、緊張感が伴う場になってしまう。このように感情が激しく揺れ動いていると、2人の心は少しずつ離れていく。

対照的に「誠実性のある」カップル、すなわち、落ち着いていて自制心があり、信頼しあい、目的意識の高い特性をもつカップルは、結婚への満足度が高い傾向がある。ストレスとうまく付き合い、冷静さを常に失わないため、安定感が生まれ、互いを支え合う関係が育まれるようだ。

「良心的な人は、自制心があり、道徳的信念をもち、カップルが抱える問題をうまく処理できるため、結婚生活に高い満足度を感じられると予想される。誠実性のある人は攻撃的な態度を見せないよう心掛けており、衝動を上手にコントロールできる」と研究者は記している。そして、結婚生活における日々のやりとりでは「マインドフルな反応(自分の感情などに意識的であること)」がいかに重要であるかを強調している。

2. 「感情的な反応」は親密さを徐々にむしばむ

感情的に反応しやすい人は自分の感情をコントロールできず、必要以上に敏感になったり、感情を激しく爆発させたりする。また、否定的な感情から立ち直るのに時間がかかることが多い。

2022年に学術誌Frontiers in Psychologyに発表された研究結果では、感情的に反応しやすい人は「パートナーの応答性知覚(perceived partner responsiveness:PPR)」が低いことも明らかになった。これは、配偶者がパートナーからどのくらい理解され、尊重され、気にかけられていると感じているかを示す尺度だ。

研究チームによれば「感情反応傾向が強い人は、配偶者から非友好的ないし敵対的だとみなされやすい」。カップルの一方がとても感情的に反応しやすいタイプである場合、もう一方は傷つき、無視され、誤解されていると感じることが増え、結婚の質の低下につながる。
次ページ > 互いの「感情的ニーズ」を満たせるか

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事