サイエンス

2024.06.19 16:00

「信頼できないプロポーズ」を見抜くための2つのヒント

Getty Images

想像してほしい。エマには、数年間交際している相手がいる。これまでエマは、婚約について数え切れないほどほのめかしてきたが、相手は曖昧な態度で逃げてばかり。イライラが募ったところで、あるとき激しい口論になり、彼女は最後通告を突きつけた。「長期的でしっかりした関係を築く気がないのなら、別れてほしい」と。ほどなくしてパートナーは彼女に、キラキラ輝く婚約指輪を贈った。

プロポーズはしばしば、交際相手に対する献身とコミットメント(関係を築こうとする継続的な意思)を象徴する、この上ない行為とみなされる。しかし、すべてのプロポーズが、純粋に「結婚したい気持ち」から切り出されるわけではない。時として、相手を丸め込み、時間を稼ぐための手段に使われることがある。しばしば、「シャットアップ・リング(結婚する気もないのに、相手を黙らせるために贈る婚約指輪)」と呼ばれるトレンドだ。

こうしたシャットアップ・リングで始まった結婚は、長続きしないことが多い。なぜなら、そうした行為をするパートナーには、真のコミットメントが欠けているからだ。

あるReddit(レディット)ユーザーは、こう紹介している。「私の友人のうち、ボーイフレンドに対して、結婚するか別れるかの最後通告をした人は3人いる。うち2人の結婚は1年半と少し、3人目は7カ月ほどで終わった。結婚生活には努力が必要だし、プロポーズに縛られるような形で、ただ踏み切ればいいというものではない」

あなたが受けたプロポーズが、このシャットアップ・リングである可能性はあるだろうか? 2つの重大なサインを以下に紹介しよう。

1)タイミングに、駆け引き的な動きが感じられる

シャットアップ・リングの最も顕著なサインは、プロポーズのタイミングだ。深刻に言い争った後や、パートナーが関係への不満を口にした後に差し出されることが多いのだ。その場合、愛を伝えるためというよりは、緊張を緩和する意図からそうしている可能性がある。例えば、次のような場合だ。

・ケンカの後の突然のプロポーズ:激しく衝突した後のプロポーズは、未解決の問題から逃げるためかもしれない。問題の根源に対処する代わりに、プロポーズをすることで、相手の注意をそらすことができる。このサインは特に、衝突が起こる前に、プロポーズについて話し合ったりほのめかしたりしていなかった場合に顕著にみられる

・対立の回避:もしパートナーがこれまでずっと、自分たちの将来やあなたとの関係について真剣に話し合うことを避けてきたのに、突然プロポーズしてきたとしたら、警戒すべきかもしれない。対立することを避けたい、あるいは、根深い問題に対処する準備ができていない人は、一時的にパートナーをなだめるために、プロポーズのような大きな行動に出ることがある。例えば、不安定型の愛着スタイルをもつ人などは、このような回避策に頼りがちだ。結果的に、未解決の対立が先送りされ、後になって、問題が以前より激しく再燃するサイクルをしばしば繰り返す可能性がある

2)コミットメントの問題は、2人の関係につきまとう

シャットアップ・リングであることを示す、もう一つの重要なサインは、コミットメントを深めようという積極的な姿勢が伺えないことだ。

パートナーのこのような態度は、これまで多大な時間とエネルギーを費やしてきたので、関係を手放したくはない、しかし完全にコミットすることはためらわれる(付き合い始めの情熱が薄れるなど、関係に対する心境が変化したため)、という状況から生じる。
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翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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