8日にソーシャルメディアで共有された動画には、T-64BVもしくはT-80BV戦車、UR-77地雷除去車、IMR-2戦闘工兵車、BTR-80装甲兵員輸送車、そして米国製ストライカー装甲車が移動する様子が映っていた。各車両はドローン(無人機)対策のケージ装甲を装備し、BTR-80の車上には歩兵が10人くらい乗っている。そばで、ウクライナの砲兵が迫撃砲で射撃を行う姿も見える。
A Ukrainian column comprising a T-64BV tank, UR-77 mine clearing vehicle, an IMR-2 engineering vehicle, and M1126 Stryker and BTR-80 armored personnel carriers drives past a Ukrainian mortar position. Their tactical symbols indicate they're participating in the Kursk offensive.… pic.twitter.com/sCpOBtzGrN
— John Hardie (@JohnH105) August 7, 2024
ウクライナ軍で旧ソ連から引き継いだ車両と米国から供与された車両を組み合わせて使用している旅団は、第80空中強襲旅団しかない。ロシア側のドローンから撮影された別の映像では、ドイツから供与されたマルダー歩兵戦闘車がクルスク州内を走行中、自爆ドローンで攻撃されるところが捉えられている。これも第80空中強襲旅団の参加を裏づける証拠だ。
Drei deutsche Marder im Dienste der ukrainischen Armee bei der Offensive in Kursk, im Westen Russlands.
— Julian Röpcke🇺🇦 (@JulianRoepcke) August 8, 2024
Leider erneut ohne adäquate Flugabwehr und somit nach nur vier Kilometern Opfer russischer Kamikaze-Drohnen … pic.twitter.com/Z8VlxQ5omC
ウクライナ北部スーミ州とロシアとの国境のすぐ北で実施されている今回の作戦に精強な第80空中強襲旅団が加わっていることは、作戦の規模を物語っている。
ロシアがウクライナに対する戦争を拡大してから2年5カ月半の間に、ウクライナ側で戦うロシア人らの義勇兵組織は、ロシア西部に対する襲撃(レイド)をたびたび行ってきた。ただ、これらの襲撃は小規模で範囲も限られ、せいぜい数日で終わっていた。目的は何より、ロシア指導部のメンツをつぶすことにあった。
6日に始まった今回の作戦は違っていた。陸軍の第22独立機械化旅団と第88独立機械化旅団、そして空中強襲軍(空挺軍)の第80空中強襲旅団というウクライナ正規軍の少なくとも3個旅団が実行しており、砲兵部隊、ドローンチーム、防空部隊がきわめて重要な支援任務にあたっている。各旅団は最大2000人規模だ。