欧州

2024.08.04 11:00

ウクライナ軍、ロシア潜水艦を撃沈か 昨年も被弾のロストフ・ナ・ドヌー

ロシア海軍黒海艦隊のキロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」。2019年7月、ウクライナ南部クリミアのセバストポリで(Dianov Boris / Shutterstock.com)

ロシア海軍黒海艦隊に所属するキロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は、一度ならず二度も爆破されるという不運に見舞われたようだ。どちらもウクライナ軍の巡航ミサイルによる攻撃とみられる。

3日かその前日ごろ、就役して10年になるロストフ・ナ・ドヌーはロシア支配下のクリミアのセバストポリ港に停泊していたところ、ウクライナ軍のミサイル攻撃を受けたもようだ。ウクライナ軍参謀本部は「攻撃の結果、この潜水艦は沈没した」と主張している

ウクライナ国防省は「よくやった、戦士たち」と戦果をたたえ、「黒海の魚たちは新たな住処ができて楽しんでいるだろう」と皮肉っている。

攻撃があったとされる直後のセバストポリ港の衛星画像は、期待のもてるものではあるものの、決定的な証拠とは言えない。ミサイル攻撃による被害が写っているようでもあるし、そうでないかもしれない。

より鮮明な画像などの証拠で撃沈が確認されれば、すでに傷ついた黒海艦隊にとって非常に体裁の悪い損失になる。

2022年2月にロシアがウクライナに対する戦争を拡大した当初、大型艦を36隻前後保有していた黒海艦隊は、ウクライナ海軍のごく小規模な艦隊を文字どおり圧倒していた。

ウクライナ海軍はその後、残っていた最後の数隻の大型艦も撃沈されたり自沈させたりすることになった。しかし、その後も空軍と連携した攻撃を行うなど戦い続けた。

ウクライナ側はこれまでに、水上ドローン(無人艇)や巡航ミサイルなどによって黒海艦隊の大型艦の3分の1を撃破するか損傷させた。戦争拡大後間もない2022年4月には、黒海艦隊の旗艦を務めていたミサイル巡洋艦「モスクワ」もミサイル2発で沈めている。

ロストフ・ナ・ドヌーは、比較的最近被害に遭った一艦だった。昨年9月13日、ウクライナ空軍のSu-24戦闘爆撃機が英国製のストームシャドーと思われる巡航ミサイルをセバストポリに向けて発射し、保守整備のため乾ドックに入渠中だったこの通常動力型潜水艦と揚陸艦に被弾させた。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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