欧州

2024.05.24 10:00

ウクライナ軍のストライカー装甲車が本領発揮 北東部の都市でロ軍歩兵の撃退続ける

カナダ軍のM1126ストライカー装甲兵員輸送車。2017年11月、ラトビア・リガ(StockPhotosLV / Shutterstock.com)

米国は2023年初め、米陸軍の退役したストライカー装甲車200両近くをウクライナに供与した。ストライカーは機関銃や擲弾(てきだん)発射器で武装し、乗員2人のほかに兵員9人が乗り込める重量20t弱、8輪の車両だ。ウクライナ軍参謀本部はそのほとんどを新編の第82独立空中強襲旅団に配備した。第82旅団は、ウクライナ軍の精鋭軍である空中強襲軍(空挺軍)の精鋭旅団だ。

それから1年数カ月後、この機敏な戦闘車両はついに、米陸軍と米ゼネラル・ダイナミクス社が1990年代に開発した際に想定していた戦闘エリアに投入された。都市である。

具体的には、ロシアが2週間前にウクライナ北東部ハルキウ州で始めた攻勢の現在の中心地、ボウチャンシク市だ。第82旅団については、ロシア軍がウクライナ第2の都市、ハルキウ市の北の国境を越えて攻め込んできた直後、ボウチャンシクの守備隊の増援に急派されたという情報が流れていた。

22日、第82旅団はソーシャルメディアに動画を投稿し、ボウチャンシクに展開していることを認めた。ドローン(無人機)の空撮映像や兵士がヘルメットに装着したカメラの映像を編集した動画には、同旅団の部隊がボウチャンシク中心部の市街地で戦闘を繰り広げる様子が映っている。兵士がストライカーの上面のハッチから身を乗り出し、対戦車ミサイルを発射する姿も見える。

エストニアの軍事ブロガー、WarTranslated(@wartranslated)が引用し、字幕翻訳を付けている別の動画では、第82旅団に所属する軍人が「防御陣地を確保し、敵を撃退するのが任務でした」と説明している。まさにこれこそ、第82旅団にふさわしい任務だ。

米軍のストライカー部隊で初めて戦闘に臨んだのは、陸軍第2歩兵師団の第3旅団だった。

2003年10月、この部隊は米国を中心とした国々によるイラクに対する戦争で、不穏な情勢だった北部の大都市モスルに派遣された。米陸軍のウォルター・グレイ2世少佐は「(ストライカー)部隊は複数の任務に従事した。ストライカーは機動力、速度、静粛性からモスル市街地での襲撃や巡回、包囲・捜索作戦に適していたので、兵士の間でたちまち高い評価を得るようになった」と2017年の論文に書いている。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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