ウクライナ国防省が3月27日に公開した写真では英国、ドイツ、米国が供与した軍用車両は独特のマルーン色のベレー帽をかぶった空挺兵らの後ろにある。戦車や戦闘車両は「正式に空中機動軍に加わった」と国防省は誇らしげに明らかにした。
They have arrived!
— Defense of Ukraine (@DefenceU) March 27, 2023
Strykers and Cougars from 🇺🇲, Challengers from 🇬🇧, Marders from 🇩🇪 have officially joined the Air Assault Forces of the #UAarmy!
The greatest vehicles for the best soldiers.
Onward! pic.twitter.com/xZnjtdnwfq
重量が71トンあるチャレンジャー2や31トンのマルダーを、理論的にはパラシュートで展開する編隊に配備するのは馬鹿げているように思えるかもしれない。車輪で比較的すばやく動くストライカーでさえ重さは16トンある。
だがウクライナ軍は何をしているか理解している。空挺兵らは今後数週間から数カ月の間に、ウクライナ軍が待ち望んでいた反攻をリードする際に必要とする可能性が高いために重量車両を導入している。
ウクライナ軍の戦闘序列では、空中強襲部隊が実際にヘリコプターや飛行機で移動することはあまりない。特に現在行われている戦争ではウクライナ軍は自国内で戦っており、いずれにせよロシア軍の防空により大規模な空中強襲は不可能だ。
ウクライナ軍では「空中強襲」は基本的に「精鋭」を意味する。2022年2月にロシアがウクライナに侵攻する前、当時の7つの空中強襲旅団はウクライナ軍の中で常に警戒態勢にある唯一の旅団だった。各旅団の兵士1400人は主要な戦闘のための訓練を受け、装備を備えており、すぐさま配備される準備ができていた。
ウクライナ軍の空中強襲部隊は米陸軍の第82空挺師団、第101空挺(空中強襲)師団、第75レンジャー連隊といった、いつでも準備が整っている部隊に相当すると考えてほしい。これらの米陸軍の部隊の大半は飛行機やヘリコプターで出動しないまでも常に配備可能な態勢だ。
確かに2023年以前のウクライナ軍の空中強襲旅団は、陸軍の機械化旅団や戦車旅団に比べるとやや軽装備だった。戦車旅団には3つの戦車大隊があり、各大隊がディーゼルで動くT-64、T-72、T-80U戦車を30両ほど保有していたのに対し、空中強襲旅団は通常ガスタービン式のT-80BV戦車を保有する中隊を1つしか保有していなかった。
マルチ燃料タービンのおかげでT-80BVはディーゼルエンジンを搭載する戦車よりも少し速く、簡単に燃料を補給できる傾向がある。タービン搭載戦車は、長距離を速く移動し、選んだ標的を激しく攻撃することを好む空中強襲旅団に適していた。
その戦い方は、2022年秋にウクライナの南部と東部で行われた2つの反撃に適していたかもしれない。反撃では8月下旬から9月上旬にかけてロシア軍の戦線の弱い部分を突破し、数週間のうちに占領地の奥深くまで進み、最終的に2000平方マイル(約5180平方キロメートル)以上を解放した。