ウクライナ軍の指揮官は、大きな犠牲を出さずに越境攻撃ができると賭けているようだ。しかし、開けた場所での攻撃はほとんどの場合、防護された陣地で防御するよりも大きな損害を出す。
リーも「攻撃作戦は防御している場合よりも多くの人的損害を出す危険がある。折しもウクライナ軍は現在、薄く引き伸ばされている」と警鐘を鳴らす。「人的戦力の状況から、ウクライナは損耗率の優位を維持していく必要があるが、この作戦で大きな損害を被れば難しくなるかもしれない」とも危惧する。
ウクライナ側にとっての朗報は、クルスク州に進撃した部隊に今のところは勢いがあることだ。ウクライナ側はこれまでに、ロシア側のヘリコプター2機を撃墜し、複数の戦車を撃破したほか、数十人を捕虜にした。撃墜したヘリのうち1機はFPV(一人称視点)自爆ドローンによる戦果だった。カステヘルミは「ロシア側は混乱状態にあるようだ」とコメントしている。
A Ukrainian source involved in the Kursk operation tells me that special forces from the security service of Ukraine, the SBU, “shot down a Russian helicopter using a [first-person view] drone.” The source shared this video and called the attack, a “unique special operation in… pic.twitter.com/Bandbb7Yy2
— Christopher Miller (@ChristopherJM) August 7, 2024
外部の観察者は、今はただ状況を見守ることしかできない。ウクライナは大胆不敵な攻撃によって戦局を一変させるかもしれないし、数少ない予備部隊を無謀な越境襲撃で浪費する結果になるかもしれない。
どうなるかはいずれわかる。ブラックバードのヘリンは「ウクライナがこの作戦の目標について明確な考えをもっていると願いたいし、その目標が政治的にも軍事的にも達成可能なものであることも望みたい」と書き、こう続けている。「現時点では、ウクライナは手札がかなり厳しい状態でリスクの高い賭けをしているように思える」
(forbes.com 原文)