傍観者効果に抗うには
社会心理学の学術誌Journal of Experimental Social Psychologyに2012年7月に発表された研究論文によると、自分以外の傍観者がいるほうが誰かが実際に介入する確率は高まるが、それは自己認識が顕著な状況下に限られる。この研究では、自分がカメラに映っていることを知っていたり、自分の名前が他の人に知られていたりすると、傍観者効果に屈しにくくなることがわかった。他の傍観者が知り合いだったりカメラを持っていたりすることを常に当てにはできないが、誰かが助けを必要としている状況で自己認識を高める方法は他にもある。
1. 見て見ぬふりをしたがる衝動が自分にあることを認め、それに抵抗する
「心配しなくても誰かが助けてくれるだろう」と思っている自分に気づいたら、その場で立ち止まろう。周囲の全員が同じように考えており、人として正しい行動に出る人は誰一人いない可能性が高い。意識的にこう考える癖をつけることで、傍観者効果から抜け出し、率先して支援の手を差し伸べられるようになる。2. 間違えたり、批判されたり、恥をかいたりするリスクを負う
相手が助けを必要としているか確信が持てない場合でも「大丈夫ですか」「手を貸しましょうか」「誰か呼びましょうか」など声をかけてみよう。たとえ相手がノーと答え、無意味なことをしたものだと周囲に呆れられたとしても、最善策をとったのだと安心できる。そして、もし相手がイエスと答えれば、大いに人のためになる行動をする機会を得られる。逆に、一切のリスクを避けた場合、できることがあったのに何もしなかったという大きな負い目を背負って生きることになる。(forbes.com 原文)