2023年に学術誌『Journal of Family Theory and Review』に発表された研究では、一夫一婦制の関係にある人よりも、非「一夫一婦制」の関係を持つ人のほうが、みだらで、変態的で、信頼できないと考えられていると結論付けている。そのような関係はまた、持続性がなく、「失敗」しがちであるとも思われている。
しかし、そこで依然として問題が残る。なぜ、好ましくないという認識があるにもかかわらず、このような非伝統的な関係の人気が高まり、盛んになっているのだろうか?
この研究によれば、以下に挙げる先行要因とその結果が、非一夫一婦制の急増を説明するために役立つという。
なぜ、非一夫一婦制を選ぶのか?
人が慣例的な関係構造から外れることを好む前兆として作用するいくつかの要因が挙げられる。1. 性的属性。白人、若年層、性的少数者、ノンバイナリー(自分で認識している自分の性が男性・女性のどちらにも当てはまらない人)、トランスジェンダー(生まれた時の性別と自身で認識する性が一致しない人)は、非一夫一婦制の関係を求める傾向がより強い
2. 価値観に基づく相違。恋愛対象の選択肢が豊富にあることを知覚し、自由主義的な政治観・宗教観を持つ人は、伝統的な関係の規範を破ることに抵抗が少ない
3. 性格の相違もまた、進化する関係性の枠組みを助長しているように思われる。開放的な性格の人は、非伝統的な関係に対する強い欲求を隠さない。多様性、変化、新しい経験を好むことを誇示する
4. 満たされていない要求も、恋愛生活における多様性の獲得を助長する。2020年に学術誌『Current Sexual Health Reports』に掲載された研究によると、研究対象者の42%が、自分の非一夫一婦制の関係は多様な欲求を充足させる利点があると考えていた
例えば、階層性の複数愛関係を持つ人なら、第一パートナーからより多くの関わり合いによる満足感や、より良い心の通い合いを得ることができ、第二パートナーからより情熱的で性的な満足を得ることができるかもしれない。