新たな攻撃に向けてロシア軍が部隊を再編している兆候もある。CDSの評価によると、ベルゴロド市の西方数kmに位置するグライボロン、ボリソフカ、プロレタルスキーでの部隊の動きは「ベルゴロド州での攻撃グループの編成を示している可能性がある」という。
ベルゴロド市やその周辺を攻撃すれば、ウクライナ側はボウチャンシクで市街戦を戦う前の段階で、ロシア軍の北部方面部隊や新たに組織されつつあるらしい攻撃グループに打撃を加えることができる。
補足しておけば、ウクライナ側はこれまでもベルゴロド一帯を攻撃できたが、使用する兵器は国産もしくは欧州製の兵器に限られた。ベルゴロドは、2022年4月にウクライナ軍の攻撃ヘリコプターが越境して市内の石油関連施設にロケット弾を撃ち込んで以来、ウクライナ側の攻撃目標になってきた。
とはいえ、ウクライナ軍が保有する最も優れ、最も数の多い遠距離攻撃用の弾薬は米国製のものである。ベルゴロド方面のロシア軍拠点を継続的に攻撃し、実害を与えるには、米国から供与されたHIMARS、ATACMS、滑空爆弾などが必要になる。
ウクライナはようやく、この越境攻撃を進める許可を得た。ゼレンスキーは米国による「死活的に重要な支援」に重ねて謝意を示している。
(forbes.com 原文)