ウクライナはこれらの補給線をひとつ、またひとつと攻撃してきた。最新の攻撃はフェリー航路を狙ったものだった。5月29日夜か30日未明、ウクライナ軍はATACMS弾道ミサイルでクリミア東部ケルチのフェリーターミナルを攻撃し、フェリー2隻を損傷させた。1隻は車やトラックの運搬用、もう1隻は鉄道車両の運搬用だったとされる。
損害は衛星画像で確認された。ウクライナ軍参謀本部は、このフェリーターミナルはロシア軍が「クリミアの部隊への補給に積極的に利用していた」と説明している。
Tonight, Ukrainian defenders used ATACMS missiles to strike a ferry crossing of the russian occupiers in Crimea.
— Michael MacKay (@mhmck) May 30, 2024
It is worth noting that American technology from the 1990s overwhelmed the latest and most advanced air defences held by the russian terrorist state. pic.twitter.com/0PiiB8V5fq
ロシアのフェリーが2隻爆破されたというのは、自由なウクライナの味方にとって朗報かもしれない。だが実際のところ、それはウクライナ南部のロシア占領軍にとって大きな打撃にはなりそうにない。
オーストラリア陸軍退役少将のミック・ライアンは、ウクライナによるケルチ橋などへの攻撃は「軍事的というよりも政治的なものであり、ロシア国民の前でプーチンにプレッシャーをかけるのが目的だ」と自身のニューズレターに書いている。
ウクライナ南部のロシア軍の兵站を狙うウクライナ側の作戦は、ロシアが2022年2月に拡大した戦争が進むにつれて規模が拡大し、手法も洗練されてきた。