欧州

2024.06.02 09:00

ウクライナの無人艇群、クリミアで小型艇4隻を撃沈・損傷 補給つぶし続く

クリミアに残るロシアの海上戦力は、少しずつ肉を削がれるような痛々しいやり方でに至らしめられつつある。全長8.5mのKS-701は軽武装で派手さこそないものの、有用な装備だ。HURは、ロシア側はKS-701を「クリミア近辺の水域の哨戒や兵站のために用いていた」と説明している。

ロシアは直近では昨年9月にもKS-701を失っていた。自軍の部隊向けの積み荷を降ろしていたときに、ウクライナのドローン(無人機)から誘導ミサイルで攻撃され、被弾したもようだ。大型艦ならミサイルや無人艇が命中しても場合によっては生き延びられるかもしれないが、排水量4t程度のKS-701にそのチャンスはない。

KS-701は言ってみれば、ロシア南部からクリミアに運び込まれる物資用の水上輸送車のようなものだ。それ自体がロシア本土からクリミアへ物資を運ぶのではなく、クリミアに運ばれた物資を最終目的地まで届ける「ラストワンマイル」の輸送がその役割だ。

ウクライナは、巡航ミサイルやATACMSでクリミアへの主要補給手段である大型揚陸艦やフェリー、橋、鉄道をたたき、無人艇で最終運搬用の小型艇をつぶしている。こうして、クリミアの兵站を根元と先端の両方から断ち切ろうとしている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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