アジア

2024.05.29 09:00

中国キャッシュレス社会の限界、外国人や高齢者には不便

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中国政府は、キャッシュレス経済がデジタルに疎い高齢者に及ぼす影響を懸念しているのだろう。また、現金の使用が一般的な農村出身の人々が大都市で支払い時に困難な状況に陥る事態も想像できる。
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また、金融政策に対する中央銀行の主権という観点もあるだろう。中国人民銀行は権威を維持したいはずだ。事業者の好みにかかわらず、中国では現金決済の拒否は違法だ。

決済をより実用的に

今後も中国人民銀行は現金決済の拒否を取り締まり、国内で現金が有効な決済手段であり続けるよう努めると思われる。現在展開されている取り締まりは今に始まったことではなく、初の処分は2018年7月にさかのぼる。決済の過剰なデジタル化を抑制する長期にわたる取り組みの一環だ。

数字のとらえ方にもよる。国民14億人の14%がモバイル決済を利用していないとすれば、その数は1億9600万人ということになり、日本と韓国の人口の合計より多い。

デジタル決済が便利なのは明らかだ。ただ、中国を訪れる外国人の多くは、スターバックスでのコーヒー代やタクシーの予約をシームレスに行えるようにするためだけに新たにアプリをダウンロードしたり、2000ドルを超える買い物に備えてID登録を義務付けられたりすることを望んでいない。
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この問題の解決策は、Alipay+がアジア以外のeウォレットと提携すること、そしておそらく難しいだろうが国際的な銀行やクレジットカードの中国での利用を促進するグローバル展開の大手決済プロバイダーと提携することだろう。

中国経済の成長が鈍化する中、当面は中国のフィンテック大手が新たな提携機会を積極的に模索する一方で、中国人民銀行は外国人がより手軽に決済を行えるよう、戦略的に政策を微調整すると予想される。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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